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クリエイティブチーム座談会「けもの道をゆく」 2016

クリエイティブチームが考えていることあれこれ(2/3)

自由大学を運営するクリエイティブチームが考えていることは? 2016年のテーマ「GOOD VIBESでいこう」につながる6名(岡島悦代、和泉里佳、花村えみ、岩井謙介、増田早希子、佐藤大智)の話を聞きました。今回は、クリエイティブチームのつくりかたから、企業とコラボレーションしてつくった講義の話についてです。
(ライター:新井優佑)

けもの道をゆく

社会とつながる入り口になるキーワードとは

花村:でもさ、岡島さん自身も変わったと思うな。きっと意識的に変えた部分があるんじゃないかな?

岡島:そうだね。わたしは「学長」っていう役を与えられたことが一番大きかった。まだ、みんな入ったばっかりだったから、これでもチームマネージメントを意識したんだよ。前のチームは安定したもんね?

和泉:(「うんうん」とうなづく)

岡島:安定していたっていうのは、なんとなく役割分担が明確になっていて、このボールなら誰に投げれば一定以上の成果物があがってくるっていう目安がわかってたんだよね。だから、漠然とボールを拾い合うことができていた。でも、みんなとは働き始めたばかりだから、漠然と投げるより的を絞って細かく投げて、チームとして育っていきたいと思ったかな。チームのベースを築くことで、講義数を増やしていけるし、新しいことも始められるから。半年ぐらい集中して取り組んだよ。

花村:確かに、今は規模も大きくなっていってるもんね。

岡島:そうそう。去年より申込者数も増えてる。大智くんが経験したような一通ずつ返信する手作業も大事なんだけど、そういう日々の業務に割く力を最小限にできるように工夫もしていって、新しいことが動き出したり、新しい人が入ってきても、パッと仕事を引き継いでいける仕組みづくりができたよね。その分、クリエイティブな時間を増やしていけるようになった。他に、変わったことってなんだろうね?

クリエイティブチーム

左から、佐藤、増田、和泉、岡島、花村、岩井。新体制発足当時の6月撮影。まだちょっとぎこちない感じ。

岩井:企業と一緒につくる講義が増えましたよね。

岡島:ああ、それは前々から思っていたことなの。自由大学の価値観って社会にとっても価値があるはずなのに、その世界観が自由大学の中で完結してしまっているなって。やっぱり、違う世界の人とコミュニケーションをとっていきたい。それは、自由大学の看板をつかってもらうってことじゃなくて、共通課題を一緒に解決しながら講義をつくっていく「パートナーシップを結ぶ」っていうこと。「Creative City Labー創造的都市をどう作って行くのか」や「カフェ自由大学 カフェ学」で実現できたよね。

岩井:ぼくは今年、みんなより半歩下がった立ち位置で自由大学を見ることが多かったので、その変化をすごく感じました。

岡島:パートナーになって取り組むことで、また違う課題が見えてくる。こうすれば、自由大学はもっといけるんだっていう自信にもつながったし、社会との関わりにおける自由大学のポジションも見えてきたことが大きかったな。

花村:「Creative City Labー創造的都市をどう作って行くのか」に参加していた方から「いろんな世代が交わって、意見を戦わせることができる。こんな場所がほしかった」って言われたのが印象深かった。わたしたちが何をしていくべきか、すごく感じられた講義だったね。

岩井:会社にも、いろんな世代やバックグラウンドを持つ人はいるんだけど、その人たちがフラットに話せるキーワードがないんですよね。そこは自由大学なら「靴磨き」「ワイン」「コーヒー」みたいにキーワードがあって、話し合える土台が作れる。すごく大きいですよね。

岡島:対話ができるというのが自由大学の強みだよね。何かしらの問題意識はみんな持ってるから。それを直接的に話すんじゃなくて、あえて興味関心っていう文化的な側面を通して知恵を出し合うから、社会とつながる基礎力を養える。

平日の午前中にも関わらず、満員御礼でした。

平日の午前中にも関わらず、満員御礼でした。

花村:もっといろんなバックグラウンドを持つ人が集まってくるといいよね。学生も、おじいちゃんもおばあちゃんも、子どもも。あとは「共有」「共感」からもう一歩踏み込んで、アクションできる人が増えたらいいな。

岡島:アクションを起こすには、実現させるための資金集めも関わってくるよね。最近はCOMMUNE 246でも、クラウドファンディングを活用する流れができていて、自由大学でもクラウドファンディングの講義がはじまったり、クラウドファンディングをつかった出版プロジェクトをはじめる動きがあるから、もっとアクションのラインナップが広がるといいね。

岩井:実際に、自由大学の動きを聞いてアウトプットしていく立場の新井くんは、どう思いますか?

新井:たぶん、クラウドファンディングの話とも似ているけど、数年前ならキラキラしてる人に憧れて、人が集まるってことが多かったと思う。でも、今は自分の信じること、興味関心やキーワードを通じて動く人が増えてきていて、だったらストーリーを書く時も、憧れに訴えたり、今の自分は日陰にいてストーリーの示す明るい場所にいこうみたいなまとめ方ではない、アウトプットをする必要性を感じていますね。

岡島:確かに、キラキラに引き寄せられてくる場所じゃないもんね。

花村:あれってさ、きっと走っている人の歩幅や波長に合わせたい部分があって集まってきているんじゃないかな? カリスマ性に吸い寄せられているってわけじゃない感じがする。

和泉:そこが自由大学の面白さだよね。有名人を呼んで何かするってことじゃない。コンテンツが面白いから、マイナーでも面白い人を連れてくることができる。受講する人もそれにお金を払って一歩踏み出すってことが体現されてきていて、素晴らしいよね。

増田:ひと昔前って、カリスマ性のあるスターがいて、そこに人が集まるみたいな流れがありましたよね。でも今はFacebookとか個人が何かをはじめるツールが発達してきて、誰でもスターになれる時代なんじゃないかなって思います。だから、自分が何をやりたいかっていうことがとても大事。

和泉:そうすると、さっき「どんな人を集めたいか」って話題があったけど、それってこっちのわがままな部分もあるよね。やっぱり、いろんな人がきたくなるコンテンツをつくってナンボのところがあって、周りの人が面白がってくれるようなコンテンツをつくれて、そこに学びの状況ができて、社長だろうと高校生だろうと立場は関係なく、テーマに対して意見や思いを言い合うことができる。そんな意見を戦わせる場が、同時多発的に生まれていったらすごい。

岡島:そうそう。健全な議論ができる場だよね。相手の意見に対して、反対のことをいうと人格を否定しているって誤解しちゃう人もいるけど、もっと本質を深めるための議論ができる機会が自由大学にはちょこちょこ生まれているから、もっと広げていきたいね。

 

【けもの道を行く 2016】
1.2015年に一皮向けたこと
2.社会とつながる入り口になるキーワードとは
3.学びの「場のデザイン」とは



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