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巡る星々、取り囲む海 | 学長コラム

自由大学 メールマガジンVol.409配信

巡る星々、取り囲む海

「誰も手伝ってくれない…」

マイプロジェクトを始めるとき、一人きりだと心細くなるものです。高い理想を掲げているから、とても一人ではゴールに辿り着けそうにありません。

協力者を見つけようと、いろんなイベントで名刺交換をしても、なかなか見つかりません。社交辞令で「面白そうなアイデアですね、何か力になれたら」などと盛り上がりますが、具体的には進まなかったりします。

「最初のひとり」が見つかる人は、何をしていると思いますか? ここで大事なのは、「小さい石は自分で上げる」精神です。「大きな石」は仲間がいないと上がりませんが、まずは一人で持てるギリギリの石を自分で上げるんです。限界の重さの石を、長いことウンウンと顔を真っ赤にして運んでいる人がいたら、どうしますか?「大丈夫ですか」と声をかけたくなるのが人情です。
「もし良ければ、片方持ちましょうか」

そうやって、最初のひとりの仲間ができるのです。そして今度は、2人で持てるギリギリのひとまわり大きな石を運びます。しばらく進んで「もう限界かも」という時に、3人目が「大変でしょう、持ちますよ」と加わる。人生では、そういう具合に仲間ができていきます。

「わたしはWEBサイトがつくれないから…」

それ、動かない理由にならないです。WEBに強い仲間が見つからなくても、一人でスタートするんです。別にワードプレスでちゃんとしたWEBを作らなくても、いま一人でできるもの、facebookでもインスタでもnoteでもいいじゃないですか。動画の編集ができない? スマホひとつでできる範囲でいいでしょう。

まずはなんでもいいので、自分の活動を始めること。一人でできることを精一杯やる。そして続ける。すると、石を運ぶあなたの姿を、陰ながら見てくれている人が必ずいます。

この人は本気なんだな。覚悟が伝わります。そうか、この人は、たった一人でもここまでやるんだな。

今はSNSで近況が伝えられますから、誰も見てないことはありえません。まわりは遠巻きに、本人の覚悟を見ているのです。せっかく力を貸して応援しても、ちょっと壁に当たっただけで諦めてしまう人がほとんどです。口だけだったのかな。ちょっと残念になる経験は、あなたもしていることでしょう。時間は、命そのもの。貴重な命を使うのですから、有効に使いたい。本気じゃない人に、割いてる暇は誰にもありません。逆に、本気の人になら、惜しみなく何でもしたいと思います。

下手は下手なりに、不器用は不器用なりに、一生懸命やればいいんです。

「小さい石は自分で上げる」

この精神で、デザインだって、写真だって、ワードプレスだって、説明資料だって、下手なりに自分でやってみる。ネーミングセンスがなくても、(仮)で始めて、後で得意な人に付けてもらえばいい。

仲間を求める人ではなく、石を運ぶ人になれば、現実は動き出すのです。巡る星々、取り囲む海さえ、すべてがあなたに協力しはじめます。

TEXT:自由大学学長・教授  深井次郎

担当講義:  自分の本をつくる方法

 



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