こんにちは、学長の和泉里佳です。日本をもっと味わい楽しむための『日本ワイン学』、学校でワインなんて楽しくないわけがない、そんな楽しい講義の模様をレポートします。
美味しい食事+オシャレにワイン、いつも気軽に飲めるワイン、みんなで楽しく飲めるワイン。普段何気なく飲んでいるワインですが、ワインは知れば知るほどハマるお酒。入門日本酒学と並んで学校でお酒を楽しめる大人の学び「日本ワイン学」、自由大学ではニッポンのワインに限定して私たちの住む「日本」について深め学んでいます。
なぜ今「日本ワイン」なのでしょう?
ワインが私たちのライフスタイルにしっかりと定着してきていること、日本のつくり手の技術が向上し、品質が高まっていること、地産地消、食の安全、フードマイレージ、ワインツーリズム、いろいろな観点から、ここ数年で日本ワインが急激に注目を集めています。日本ワインを愛する会の事務局を務めながら、今年は「日本ワイン検定」もスタートさせた大滝先生自身も日本ワインブームを肌で感じているとのこと。ここに集まっているメンバーも、ワインに詳しい人やただ飲むのが大好きだという人、いろいろな人がいますが、みんなそれぞれ日本ワインの魅力や可能性をいち早くキャッチしているアンテナの高い人たちのようです。
日本ワインを国産ワインの違いは?
日本にはワインの品質を規定するための法律(ヨーロッパでのワイン法)がなく、あるのは産地ごとの自主規制のみ。法律は、税金のための酒税法だけで管理され、その税区分のために、国内で瓶詰め箱詰めされたワインは全て国産ワインに分類されています。だから外国産のブドウを使って醸造し、最後に日本で瓶詰めされたワインも国産ワインなのだとか。その国産ワインの中でも、日本の畑で採れたブドウを100%使用し国内で醸造されたワインだけが日本ワインと呼ばれている、など法律や経済も絡めて日本ワインについての知識を深めていきました。
そして後半はお待ちかねの試飲タイム。今回も3種類の日本ワインが用意されました。講義ではラベルを隠したブラインド方式でテイスティングをしています。それはブドウの品種やワイナリーの情報から先入観に捕われないように。まず色をみて、香りをとって、そのあとようやく味わいを堪能。
同じ白でもややグリーン系とかイエロー系のような色の違いがあったり、透明度や粘性を見たり、そして香りは花やフルーツに例えて表現。味わいも酸味、甘み、渋みなどのバランスを見たり、余韻があったりなかったり。最初は「違いが分からない」「美味しい以外の表現が出て来ない」という声が続出しながらも、先生のコメントを聞いているとだんだんとニュアンスが分かってきたような雰囲気。ここからの進化が楽しみです。
日本各地のワインがテーマの初回は、こんなワインを試飲しました。
・丹波ワイン ヌーボー白 /2011 デラウェア
・朝日町ワイン ロゼ /2010 マスカット・ベーリーA
・岩の原ワイン マスカット・ベーリーA /2009 マスカット・ベーリーA
丹波ワインのヌーボー白は今年収穫したブドウでつくった新酒。よく食用として食べられているデラウェア品種を使ったもので、今の季節にしかお店に並ばない季節感溢れるワインでした。そしてロゼと赤は同じブドウ品種から作られたにも関わらず風味が全く異なったりして、面白い体験の試飲タイムになりました。
第2回目からは産地別に旅するように日本ワインを学びます。
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