朝晩涼しくなってきて、秋を感じる今日この頃。サンマが恋しい季節ですね。
旬の季節になれば当たり前のように店頭に並んでいたサンマが、今では貴重品になりつつあるのだから驚きです。サンマだけじゃない。魚を取り巻く環境は劇的に変化しています。
海では何が起こっているのか、自分たちに何かできることはあるのか。日常生活の中で、これまでよりも海や魚に意識を傾け、小さくてもできることをしていこう、というのが「さかな学」の目指すところです。
今回は、さかな学第二期フィールドワークの様子をご紹介します。

北海道の新サンマ
■行きつけの魚屋さんはありますか
魚を好きになる、もしくは魚を買うのが楽しくなる。これには、行きつけの魚屋を見つけるのが早道だと考えます。
フィールドワークで訪れるのは、千葉県浦安市の鮮魚店「泉銀」。
地域の人々に愛される昔ながらの魚屋さんです。3代目店主を務めるのは、『魚食え!コノヤロー!!!』の台詞で知られる森田釣竿氏。フィッシュロック・バンド「漁港」のボーカリストでもあり、2004年にはシングル『鮪』で、ユニバーサルミュージックからメジャーデビューを果たしています。
本気で魚と向き合ってきた店主が繰り出すトークは、目からうろこの連続。やっぱり売る人に魅力があるお店は、何度でも通いたくなります。この魚屋体験を通じ、きっとみなさんにも何か持ち帰ってもらえるものがあるはずです。

森田氏と奥さん
■各産地から送られてきた選りすぐりの鮮魚
店内には、さまざまな魚種が並びます。この光景に、さかな学一同わくわくが止まらない。
めったにお目にかかれない珍魚が売られることも。

店内で森田氏の話を聞く受講生
■ロックな魚屋店主が調理法を伝授
森田氏のモットーは、魚を ”丸ごと” 売ること。
自分でさばくことで、命のありがたみをダイレクトに感じることができ、いろんな部位を味わうこともできます。結果的に満足度もあがるのです。
小気味よい口調で、下ごしらえから味付けまで教えてもらうと、早くやってみたくなるから不思議。希望によっては、3枚おろしなどにもしてくれます。

さばいたマグロを見つめる森田氏
■魚を求めて来る人がこんなにも!
お店の前に並ぶお客さんの列。近所の常連さんをはじめ、遠方からわざわざ来店する人も。
お目当てのものがある人もいれば、おすすめを買う人もいます。

お店外観
■フィールドワークの前に、おさかなランチを堪能
「泉銀」の目と鼻の先にある味わい食堂「ひねもすのたり」でランチ♪
泉銀さんの魚を使ったメニューで、この日は珍しいボウズギンポが!とても優しいお味で、特に魚の調理法は参考になりうれしいものです。
毎回、フィールドワークの前には、みんなでおさかなランチを楽しむのが恒例になっています。

黒板メニュー

定食
【受講生の体験談】
フィールドワークでは、さかな学のみなさんに好きな魚を買ってもらい、自宅でさばいてもらいました。
イトヨリダイやマイワシ、マアジなど。
自分でさばいて作った料理はおいしいに決まっていますね!
- イトヨリダイを買ったCさん
「思ったよりも簡単にさばけました!台所にウロコが飛び散っていますが、イワシの講義(さばくWS)のおかげです。おまけに、釣り針も出てきました(胸熱♡)」

イトヨリダイ一匹

切り分けたイトヨリ

釣り針を発見!
- マイワシを買ったTさん
「イワシのなめろうを作りました!手作りお味噌で味付けし、美味しくいただきまーす」

イワシ

なめろう
■最後に
泉銀さんは、今は数少なくなってしまった地域に根付いた魚屋さんです。今回お邪魔した最中にも、魚を買うなら泉銀さんで!と、楽しみながら魚を買っていくお客さんがこんなにもたくさんいることに驚きました。ぜひ見学の際には、お客さんと店主の会話にも注目してみてほしいなと思います。
(TEXT:さかな学キュレーター茂木 みかほさん)
【さかな学の講義詳細はこちらから→https://freedom-univ.com/lecture/sakana.html/】