自由大学のキャンパスライフ探求家、水澤充です。どんどん盛り上がり、第5期は原宿のIKI-BAキャンパスで開講されることが決まった神社学。今回は第4期のレポート(講義編)をお届けします。
僕が物心ついたころに住んでいた家の前の森にも、小さな稲荷神社があって遊び場になっていました。初詣、七五三、厄払いなど、節目には訪れる神社。身近な存在だけど詳しくは知らない、それを知ったら楽しくなるのではと思い、受講しました。
授業は、JINJA BOOKを教科書に進んでいきます。神社の本というと小難しい歴史書のようなものを想像しそうですが、北野武さん・みうらじゅんさんなどのコラムや、基礎知識がイラストなどで優しく紹介されていて、神社について興味があるけど全然わからないという人も学びやすく、読んでいるだけでもわくわくしてきます。
日本書紀・古事記は学校の歴史の授業で出てきた古い書物というだけで、読むものという感覚がなかったけれど、中村教授の神社やそこにまつわる神話大好き感がひしひしと伝わってきて、どんどん興味が湧いてきました。日本書紀・古事記にある神話から、そのほかの古文書などの神話、歴史に隠された裏話と神社の関係など、どちらが正しい正しくないということではなく、日本人のルーツや宗教の歴史には、こんな可能性もあるよねと言ったスタンスで話は進み、次第にこちらもにやにやしてしまいます。
いままで日本人であるということを特に意識したことはないけれど、これだけ興味深い歴史があるのかと思うと、ちょっと日本人であることに誇りを感じるし、もっと知ったらさらに面白いかもと期待が高まる感じがしました。
そして、神社学で学べることは、ただなんとなくお参りするだけではない、神社の楽しみかた。
海外に行くと、建築物の歴史を調べたり聞いて関心したり、美術館に行って古い絵画を見て感動したり、といった楽しみかたをしていると思います。日本の神話を知ると、温泉や観光地に行って、ちょっとした時間で近くの神社をふらっと参拝してみる、といったことが気軽に楽しめるようになると思います。
実際、僕は神社学が終わってすぐに、関西に行く予定があったので、そこから少し足をのばして、天橋立の籠神社と真名井神社に行ってきました。この講座を受けていなければ、この2つの神社はもちろんのこと、恐らく天橋立にも訪れることがなかったのではと思っています。
神社の楽しみ方を知っただけで、自分の行動範囲まで広がっていき、人生が少し豊かになる気がしました。
講義後には中村教授とみんな一緒にご飯を食べながらの放課後トーク。神社の話から、温泉の話(中村教授は温泉マニアでもあるのです)、神話を元にした面白いマンガの話までみんな食べながら思わずメモを取ってしまうような、こぼれ話も聞くことができました。もちろん、受講生同士で神社の話をしたりと、これも一緒に学ぶ仲間がいるからこその楽しみのひとつです。
神社は日本全国に8万社以上あると言われています。これだけたくさんの神社があって、まだ知らないことが多いということは、それだけ楽しみが残っているということ。次はどこに行ってみようとか、来週地方に行く予定があるから近くに神社ないかなとか。僕は普段、自転車で移動することが多く、神社を見つけてはちょっとテンションがあがったり、あれはなんの神社なのだろうと調べてみたり、日常の楽しみが増えています。
次回は、「神社学」の最終回で行ったフィールドワークをレポートします。