こんにちは、学長の和泉里佳です。日本全国に点在するワイナリーを産地ごとに、まるで旅するように学んでいく『日本ワイン学』。今回は長野ワインの旅をレポートします。
日本アルプスやたくさんの高原があるように、寒冷な気候、適度に乾燥し、昼と夜の温度差が大きい長野。それは、ブドウ作りに最適な環境であるとされ、隣の山梨に次いでワインづくりが盛んな地域です。ヨーロッパ系の品種も多く栽培され、大小さまざまなワイナリーでつくられる、オシャレで品質の高さが特長の長野のワインを旅します。
地域のブランディングを率先して行っている長野
フランスのシャンパーニュ地方で決められた製法で作られたものだけを「シャンパン」と呼ぶことができるというのは有名な話。このようにヨーロッパではワインづくりに関して産地やブドウの品種や育て方、醸造方法などを細かく指定する法律が各地にありますが、日本にはこのような「ワイン法」がありません。日本ワインと国産ワインの違いレポートでも紹介している通り、あるのは税金を徴収するための「酒税法」のみです。その中で長野県はいち早く「長野県原産地呼称管理制度」という制度をつくり、地域を上げて地元ワインのブランディングを考えてきたそう。
スキーや旅で訪れたことのある場所とワイナリーが結びついたり、地域活性化や歴史、気候、農業など、話は尽きません。日本ワインを学ぶことは、日本をもっと知ることに直結しているねという声もありました。
長野にはワインづくりをする高校がある!?
塩尻志學館高等学校にはブドウ畑や醸造設備が完備されていて、ブドウ栽培から醸造まで生徒が体験できるという話が。こんな高校うらやましい!という声も出ていましたが、もちろん生徒さんたちは試飲はされていないとのこと。地域と産業と学びが密着していて面白いですね。
そんな品質の高いワインをつくる長野がテーマの第3回は、こんなワインを試飲しました。
・プリマベーラ シャルドネ ヴィラデスト ワイナリー /2009 シャルドネ
・NACメルロー 井筒ワイン /2010 メルロー
・ビオロジック ル ヴァンナチュレルド ドメイヌ ソガ カベルネソーヴィニヨン 小布施ワイナリー/2009 カベルネソーヴィニヨン
ビオロジック栽培(殺虫剤、除草剤、現代殺菌剤を使用しない農法)でつくられたワイン、長野県原産地呼称管理制度の認定ワインや国産ワインコンクール金賞受賞ワイン、オシャレなブティックワイナリーなど、今回も幅広いワインを楽しみました。