講義レポート

日本に住んでいるからこそ味わえる、人情を感じるワイン

「日本ワイン学」5期 講義レポート

日本ワイン学」キュレーターの水澤です。

ただいま日本ワイン学の第6期が開講決定して、まだまだ募集中。第5期はお酒好きで、講義ではワインを人に例えてみるなど新しいワインの楽しみ方をみんなで試しながら学ぶことができました。さらに、講義後も同窓会などに全員参加してくれちゃうパワフルな期でした。というわけで、5期の受講生の佐野さんからレポートが届きました。

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日本ワイン学の5期を受講しました山梨県在住の佐野信と申します。
読みづらい文章になってしまうかもしれませんが、簡単に感じたことなどを書いてみたいと思います。

私は山梨県の身延山というところで、生湯葉や椎茸、土地の特産品を販売しています。ワインも数種類販売していたのですが、これから本格的に力をいれてワインを販売して行こうということになり、ワイナリーの多い山梨の勝沼などを巡っていました。ワインは好きでよく飲みますが、実際のところテイスティングの方法や、味の表現などはあまり考えておらず、いい意味か悪い意味かわかりませんが、ワイン産地の飲み方、ガブガブ飲めればという習慣に慣れていました。山梨ではお祭りにいくと、ワインにザクザクの氷を入れたのを売っていたりします。

様々なワイナリーを巡って、テイスティングをするのですが、え、このワイン美味しいけど、どうやって表現したらいいの??なんかわからないけど美味しい!

え?でも、まてよ? こんなことではお客様に適切なワインのご説明ができないじゃないか! こんなことではいけない!

そんな時、自由大学「日本ワイン学」の講義をインターネットで知りました。

山梨県だけでなく日本各地のワインを知ることができるし、基本的なワインのテイスティング方法や、ワインの楽しみ方をしることが出来るかもしれないと思い、受講を決意。妻と一緒に受講させていただきました。

教授は大滝恭子さん。日本ワインだけでなく、世界のワインにも精通されております。
日本ワインを愛する会という、日本のワインの普及活動をしている会でもご活躍されています。お酒が大好きで、様々なお酒を愛されていらっしゃる方です。

最初の授業は自己紹介から始まります。総勢10名ほど。お酒を飲むのが好きで、ワインのことをもっと知りたいという方や、旅行先に行ってワインを飲むんだけど、背景とかをしらないので、日本ワインをもっと知りたい方。専門学校でカフェの開き方について教えていらっしゃる方。お酒が好きで良く飲むんだけど、ワインだけ良くしらないからワインを勉強したい方。友達のワインのウンチクに対抗されたい方。出張先でワインを飲む機会があって、もっと日本ワインについて知りたくなった方。様々な方が受講されていました。とても和気あいあいな雰囲気です。ワインをそこまで詳しくない私でも溶け込める、懐の深い大学です。

1回目は日本ワイン概論。日本ワインは今どういう立ち位置にいるのか。どうやって成長してきたのか。日本ワインの今を知ることができます。日本がワインを作り始めたのは、明治に入ってからだそうです。初めはまったく上手にいかず、また昭和に入ると戦争もあったりと、日本ワインには知られていない歴史があります。今飲んでいる日本ワインはどのような環境で作られ、どのように広まっていったのか知ることができました。

最後にワインを3種類テイスティングします。ワインには白い紙がはられており、銘柄、生産者などがわからなくなっています。ワインのテイスティング方法など基本的なことを教わりながら、3種類のワインを飲みくらべします。テイスティングして感じたことを、見た目・色、香り、味わい・余韻、どんな料理会うかなどをシートに書きます。

ここでびっくり!するのです。2回目以降も各地のワインを飲んでいくのですが、本当に味わいが様々で、日本ワインの奥深さをしみじみと感じることができます。ちなみに初回のテイスティングで飲んだワインは、2回目以降の講義には登場しない、宮崎、京都、新潟のワインでした。知っている人は知っていますが、まさか宮崎県でもワインを作っているなんて、
普通の人は知らないですよね(笑)こういう発見があるのがとても楽しいんです。

また日本ワインには海外のワインと違った楽しみ方があります。海外だとちょっと大変なんですが、日本だと普通の人でもワイナリーに行って、生産者さんに直接会って、どんな人がどのように作っているかを知ることが出来るんですね。
ワインに情が湧いてくるなんてことは、普通に生活していたらなかなかないのですが、日本に住んでいるからこそ味わえる、人情を感じるワインが日本にはあります。教授の大滝さんが日本中のワイナリーを回っていらっしゃるので、あそこの誰々さんが、一生懸命がんばってるのよ?!なんて聞くと、あぁ?これは応援するしかない!なんて思ったりしました。

2回目以降からは各生産地にフォーカスしていきます。山梨県、長野県、北海道と学びます。各県によってワイン事情はかなり違っているようです。ワインはその原料になるぶどう作りがとても大切で、美味しい葡萄が作れなければ、いいワインが作れないので、どこのワイナリーも良い葡萄を作るために工夫と努力を重ねています。
野菜もそうですが、畑によって大きさや味が変わるのと同じで、葡萄も地域や畑によって、栽培方法によって品質が変わります。また醸造する作り手さんもそれぞれ趣味嗜好がちがうので、風土が変わればワインの味もかなり変わってきます。2?4回目の授業でその違いを知ることができます。

もちろん毎回3種類のワインをテイスティングするわけですが、このワインを用意してくれるのが大滝教授なので、本当に面白いワインを毎回ご紹介してくださいます。2回以降のテイスティングになると、皆さん打ち解けて仲良くなっているので、まるで飲み屋さんに来ているような和気あいあいとした雰囲気で講義が進みます(笑)ちゃんとテイスティングはしておりますよ!!余談ですが、日本ワイン学第五期生は、集まった学生がみんなお酒を飲むのが大好きな人ばかりで、2回目以降の授業が終わった後、必ず近くのワインバーなどへ課外授業に行っていました(笑)もちろん教授も一緒です。

5回目の授業が最後になるのですが、最後の授業は自分のオススメの日本ワインとおつまみを持ち寄って、なぜこのワインを選んだかなどを発表していきます。ワインは食事と一緒に飲むのがいいですよね。食事の味を何倍にも美味しくしてくれる、ワインと食事の組み合わせがあって、これをフランスの人々は結婚になぞらえて、マリアージュと表現するそうです。各自が持ち寄ったワインと食べ物で、食事とワインのマリアージュを体験します。

ちなみに私が持っていったワインは、株式会社山梨ワインの「ベルカント マスカット・ベリーA樽貯蔵2011」。これとマグロ、わさび醤油で合わせました。ちなみに全国都道府県別マグロ消費量全国2位は山梨県です。

私どもは椎茸と湯葉の専門店「武州屋」というお店を営んでおりますので、生湯葉も持参しました。生湯葉とまるき葡萄酒の甲州オソヅミという、10年ほど瓶で熟成したワインと合わせました。醤油ではなく、お塩をちょっとつけて食べます。他の受講生さんも様々なワイン・おつまみを持ち寄って、本当に面白い授業でした。

同期の皆さんとはfacebook等でやり取りしておりまして、また飲もう!なんて話にもなっています。同期だけでなくて、ワイン学の全受講生が集まって飲む会もあるので、新しいつながりが出来るという意味でも、本当に面白いとおもいます。

私のようなワインを販売をする者にとっても、本当に勉強になりました。おかげ様でお客様にも大好評です。新しく日本ワインを販売するサイトも作っており、こちらにも力を入れていきたいと思っています。もともとお酒好きでビール、焼酎、日本酒、なんでも良く飲むのですが、お酒にここまではまってしまったことは、今までありませんでした。

教授の大滝恭子さん、キュレーターの和泉里佳さん、水澤 充さん、同期のみなさん、本当にお世話になりました。みなさんのおかげで、日本ワインを愛する心を持つことができました(笑)。感謝申し上げます!ありがとうございました。

日本ワインが気になる方は受講することを本当にオススメします!マニアックな授業内容ではないので、ワインの知識がぜんぜん無い方が行っても、かなり楽しめる授業内容になっています。ですが、日本ワイン学受講以降、ワインしか飲まなくなる生活が待っていることを、覚悟しておいたほうがいいかもしれませんぜ。へっへっへ。



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