講義レポート

日本茶は心と身体に効く薬

「日本茶、コトはじめ」講義レポート

一緒にお茶を飲むと仲良くなったり、モヤモヤ悩んでいたことが晴れたりすることがありませんか? それはお茶の薬効作用のおかげです。「日本茶、コトはじめ」の第4回「お茶は百薬の長」のレポートをお届けします。

tea_20130918_01

お茶は万能に効く薬
お茶に含まれる成分について前回の講義でも学びましたが、今回は効用について深く学んでいきます。まずは6世紀の医学書に書かれているお茶の薬効作用について茂木教授より紹介がありました。

「『苦茶は噛んで毒なし。五臓の邪気を払い、下痢、湯熱(熱による口の渇き)、中疾(胃腸病)、悪ソウ(たちの悪いできもの)などを治す。久しく服すれば、心を安んじ、気を益し、頭をよくし、眠りを少なくし、身を軽くし、老いを能くし、老化を抑える。』抗酸化作用、抗菌作用、覚醒作用、ストレス解消など飲めば必ず良いことがある万能薬なのです。だから何世紀にも渡って飲み継がれている理由がわかります。」

お茶って”無敵な飲み物“のような気がしてきました。確かに健康飲料としてお茶の効用をうたっている商品がありますよね。そして受講生からはこんな質問が。

「夜、お茶を飲みたいのですがカフェインが入っているから眠れなくなるのが心配です。リラックスできるような飲み方はありますか?」

すると茂木教授より新しい道を示唆してくれるお答えがありました。

「お茶を飲むとリラックスできるのは科学的に証明されています。テアニンが働きα派を多く出すようになるためです。緑茶には覚醒(カフェイン)と鎮静(テアニン)が含まれ、テアニンはコーヒーや紅茶には含まれていない成分で、心と身体をリラックスさせてくれます。夜に緑茶を飲みたいのであれば、低めの温度(50~60度)で抽出するとカフェインがあまり溶け出しません。番茶やほうじ茶を選ぶのもおすすめです。」

カフェインの作用は個人差がありそうですが、就寝前に一度試してみたいですね。

tea_20130918_02

お茶の味を表現してみる
お茶の効能を理解したところで、お茶の魅力を人に伝えるワークをやりました。お茶は内省することに働きかける飲み物ですが、この講義のゴールは”My茶の道”を見つけて、人にプレゼンテーションできるようになること。茂木教授が銘柄を言わず3種のお茶を用意し、それぞれの味を「色」「漢字」「風景」に例え、色鉛筆を使って表現しました。受講生の表現が面白かったので一部を紹介します。

1)1杯目:香駿(静岡県生まれの品種)
人に例えると…
・近所のやさしいおばさま
・やさしくサポートしてくれる人
・まじめなサラリーマン
・ゆうれい部員
・後味をひかないさっぱりした人

2)2杯目:玉露のくき茶(通なセレクト)
漢字で表現すると…
・福
・龍頭蛇尾
・森林
・奏
・若
・軽
・春風

3)3杯目:指宿茶
風景で表現すると…
・竹林
・地平線
・夕暮れ
・故郷
・京都の大文字
・坂

ワインは味を詩的に表現する文化がありますが、日本茶もこんな遊びが広まると楽しみ方が増えますね。

text:岡島悦代(「日本茶、コトはじめ」キュレーター)



関連する講義


関連するレポート