講義レポート

急須で美味しくお茶を淹れる

「日本茶、コトはじめ」講義レポート

日本茶、コトはじめ」第3回目は、マイ急須で美味しくお茶を淹れる方法をマスターしました。「茶葉の個性を知り、最適なお茶の淹れる」回のレポートです。
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2つの湯飲みに均等な味になるようにレクチャー中の茂木教授と市川教授


緑茶の味を決めるのは3つの成分と温度の関係
沸騰したてのお湯でお茶を淹れたら苦かった、なんて経験はありませんか?それは茶葉の入れすぎではなく、茶葉とお湯の関係に問題があったから。講義のはじめに、市川教授による茶葉と温度の関係を教えてもらうところから始まりました。

テアニン、カテキン、カフェインの名前は聞いたことがありますか? お茶の味に関わる主成分はお湯の温度のよって溶け出し方が変わります。うま味と甘み、渋み、苦みの”甘渋苦(かんじゅうく)”のバランスが整っていると美味しくお茶を飲むことができます。

まずは成分について知識を学んだあとに、同じ茶葉を3種類のお湯(40度、70度、90度)で淹れたものを試飲しました。ぬるめの湯で淹れたお茶は少し青臭い味、熱湯で淹れたものは苦みと渋みが際立ちました。

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茂木教授が用意してくれたレトロなお茶うけ

自分で選んだ急須と茶葉の個性を引き出す淹れかたを実践
今回の宿題は、お茶屋さんに行って自分がこれだ!と思う茶葉を買ってくることでした。いつも通りすぎてしまう商店街のお茶屋さんに意を決して入ったら、話しが弾んで楽しかったという人や、鮎までいただいてしまった人もいました。会話のある買いものは気持ちを豊かにしてくれます。

持ち寄ったお茶は、出身地の茶葉だったり、東京の水に合う深蒸し茶や、茶山(さざん)という金粉が入ったお茶、あられが入ったお茶など個性豊かです。市川教授は茶葉の個性を解説しながら、美味しい淹れ方を1人1人に丁寧に説明してくれました。

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お茶の味が均等になるようにまわしつぎをしています。

そして美味しいお茶を淹れるポイントは3つ。
1)沸騰させたお湯を適温にする。調節方法は器を移し替えると10度下がる。
2)急須のふたを締めて30秒抽出する。
3)味が均等になるようお湯のみに”まわしつぎ”をする。
さらに最後の1滴まで注ぎきると2煎目も美味しく頂けます。

受講生のみなさんは自己流から一歩抜け出し、茶葉の個性を引き出せたことを実感したようでした。何回も「お茶ってこんなに美味しいんだ!」とみんなで顔を見合わせて楽しそうに話しているのが印象的でした。

text:岡島悦代(「日本茶、コトはじめ」キュレーター)



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