講義レポート

心の持ち様で全てが変わる?!山と仲間から教わったこと

「東京・日帰り登山ライフ」講義レポート

「あと10分程で締切ります」

この言葉を聞いた数分後、仕事中の手を休め自由大学への入学を決意。それは講義がスタートする、まさに前夜のことでした。異国暮らしによって、私の中で違った表情に見えてきた出身地、東京。そして三十路記念に初めて登った高尾山。東京と山、一見すると相反する様に思えるキーワードにピン!ときて「東京・日帰り登山ライフ」8期の仲間入りを果たしたのでした。

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えいやっ、と飛び込んだ新たな学びの場で、キュレーターを務める大内征さんに続き、初めて顔を合わせる他の受講者は、あら、みなさん女性ばかり。3人のグループが2つ生まれ、このまま山についての極意を勉強し、いざ登山!となるのかと思いきや、仲間とともにミッションを掲げその目標を達成するという、意外な任務が与えられたのです。

初っ端からレベル高し、とやや不安になるも、登頂自体を目的としないことの面白さと意義深さを、後々知ることとなります。(ギアの講義は、登山に限らずアウトドア全般、ひいては災害時にも役立つ、”生き伸びる知恵”へのヒントが詰まったレッスンでした)

そんなこんなで迎えたグループ登山当日。この日にはすっかり打ち解けていた仲間たちと、熟成させたアイデアを実行に移すべく意気揚々と出発する、はずでした。残念なことに、前夜から降り続いた記録的な大雪の影響で、登山は延期に。振替をしようにも各メンバーの都合もあり、全員ではなくグループ別に山へ向かうという「東京・日帰り登山ライフ」始まって以来の異例の事態と相成りました。

待ちに待った私のチームの振替登山日は、一週間後の土曜日でした。今度こそ!との祈りもむなしく、またしても前日の金曜日に降った雪が影響し、都内は積雪で大変な状況に。とにかく山登りの出で立ちで、朝から自宅待機。膨大なfacebook上でのメッセージを交わし、午前中の天候回復と各自の交通手段を確認した末、キュレーターの大内さんが出した答えは……

「よし、午後1時に原宿駅で集合しよう!」

そう、私達が向かった先はなんと、明治神宮のお膝元、代々木公園だったのです。驚くべきことに、そこは一面、銀世界が広がっていました。都心とは思えない見事な光景に、我々は代々木”高原”に来たんだ!と暫し感動。事前に用意していたアイゼンの歩行練習をしてその威力も実感。それにちゃんと、シートを広げてミニピクニックも実行したんです。標高34m(笑)での数時間は、予想以上に充実したものでした。

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異例の事態に陥った我らが8期。予定が変わりに変わっても、最後までモチベーションを下げなかった私たちのメンタリティは、なかなかのものだったのかもしれません。そして結果的に私が学んだのは、山をテーマに仲間と共に考え、助け合い、不測の事態に陥ってもそれを前向きにとらえ、むしろ楽しむという、まさに本来人間が、自然の中で生きていく術の軸ともなり得る、大切なこと。そんな風に思っています。

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ちなみにもう1つのチームは高尾山でのフィールドワークとなりました。

東京・日帰り登山ライフ」は、山登りに興味がある人、新しい仲間を作りたい人、そして新たな東京を発見したいという人も、皆それぞれ、必ず何かを見つけることができる講義です。前期のメンバーとの交流や、登山の知識を活かせるイベント情報も続々、キュレーターの大内さんから卒業後もやって来ます。

今この文章を読まれている方が新しい仲間になる可能性があると思うととてもワクワクします。現在募集中の10期メンバーとして、都心で味わう登山ライフへの一歩を踏み出してみませんか?

(text:「東京・日帰り登山ライフ」8期受講生/高橋真美さん)



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