講義レポート

物語を歩く

小さな教室をひらく 第8期卒業生講義レポート

本が好きです。

読むのも調べるのも好きです。なんなら本屋か図書館に住みたいくらい好きです。

その根底に人間への尽きない興味があります。

8年前より、こどもを相手に絵本を読み聞かせたり、昔話を覚えて語る会に参加するようになりました。学びとともに疑問や好奇心が大きくなり、同時に今までやってきた読書会を、外で試してみたいという想いが強くなったことと、読書会という形で金銭を払う価値を認めてもらう方法を形にしたくて、思い切って【小さな教室をひらく】講義に飛び込みました。

 

 

2回目の講義、コンセプトを磨く時間に、あなたは「物語をつくり、物語と歩む人」「一人の世界より、あえて人を巻き込む人」と言ってもらいました。

受講仲間は「自分では気が付かない私」を見つけ出して言葉にしてくれます。そこで、自分からも踏み出したいと思い、受講仲間に向けてプレ読書会を行いました。それぞれが子供の頃に好きだった絵本と、同じテーマの別の絵本を私が準備し、読みくらべるというものです。絵本を対象とすることで子どもの時の話が自然とでてきて、それぞれの人の内面と出会うような時間を過ごせました。それは私が想い描いていた、本を通しての人とのコミュニケーションの姿でした。

 

 

講義後「動き出さなければ変われない」と分かっていても、なかなか動き出すことができませんでした。

そんなときに、好きな本屋さんの売り上げが厳しい状況であることを知り、絶対に好きな本屋さんも好きな本もなくなってほしくないという気持ちと、時代の変化に対して次の手が打てない姿が、動けないでいる自分と重なって見えて、『出張本屋をしてはどうでしょうか』と、提案してみました。

出張本屋の場所は、以前から読書会をするなら絶対にここで!と思っていた素敵な家具屋さんです。お気に入りの場所で開催した出張本屋は、本屋さん、家具屋さん、そしてお客様からも好評で、引き続き定期的に出張本屋をする話が決まりました。

 

 

『大作本を一人ではなかなか読めないが、仲間と一緒に読むならできるかも』という本屋の店員さんの声で、本屋さんでの読書会を提案してみました。本を読むだけではなく、その本の時代背景や作者の人生などを織り交ぜて解説する独自の形で人間への尽きない興味が止まらない自分らしい読書会です。

参加者さんからも好評を得て、次の機会を得ることができました。

定期的に行う事となった出張本屋さんと本屋さんで行う読書会に続き、「本の中の物語」と「場の持つ物語」の両方に耳を澄ませて、読み聞かせの場を繋げる事に取り組み、「共に読むひとの中の物語」と出会い続けたいと思います。

 

本の力を信じ、人を信じ、読み聞かせの場と繋ぐことで、自分の力だけでは描けなかった物語をいつの間にか歩いていました。 それが今の私が辿り着いた読書会です。 受講前にはまだ見えていなかったけれど、‘‘小さな教室をひらく‘‘を受講したことで形にできたのだと思います。

 

「人と本を読むひと」主宰 そよぎ (8期卒業生)

 



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