講義レポート

みんなで真実を探す

「未来を創るための哲学」講義レポート

講義を振り返っての率直な感想は「とても幸せな1か月を過ごせた」ということです。

講義の時間だけでなく講義の間の1週間の時間も、仕事の帰りや家にいるとき、次の講義の課題をふと思い出しぐぬぬっと考えて考えている時間が至福でした。自分自身のための振り返りとして、また今後この講義をとるかもしれない誰かへのちょっとしたヒントとして講義を振り返れればと思います。

まず自由大学のほかの講義と違って、この講義をとったからと言って明確な費用対効果のある何かは得られません。笑

別に人に自慢もできません。「自由大学で哲学対話の講義とってるんだよね」といっても「へーっ」と言われて会話が終わります。この知識を使って何か小遣い稼ぎにつなげられるわけでもありませんし、この5回だけで「哲学がざっくりわかりました」といえるほど哲学自体を学ぶわけでもありません。それでもこの講義をとってよかったと感じ、周りの友人にも自信をもって勧められるのには三つの理由があります。

人生の可能性が広がる

哲学的対話は巷にあふれかえるディベートと一線を画す、「みんなで真実を探す」作業です。そのためには当たり前という概念は存在せず、あらゆる選択肢の可能性を模索します。今までは考えもしなかった他者の意見や考えを知り、賛同はしないけど共感はできる。これからの人生で自分自身で選びうる選択肢が少しだけ広がったのかなと思います。

人にちょっとだけ優しくなれる

ある晩、その日の哲学対話のテーマを妻と一緒に議論しました。日頃の議論だとお互いの最適解がぶつかりすぐにディベートとなり、意見の勝ち負けにこだわってしまいます。(夫婦だけじゃなくて仕事とかでもそんなもんじゃないですか?)ただこのテーマの話をしたときは違いました。それは「誰も答えは知らない」をスタート地点として議論を始めるため、対立でなく協力作業としての議論ができたからかなと思います。人を負かすのでなく人と一緒に考える、当たり前のようですがちょっとだけ優しくなれたのかなと感じた経験でした。

面倒くさい議論が大好きな人々に出会える

誰しも「自分とはいったい何なのか」「みんながいう正義ってなんなの」など、”当たり前”に対する疑問を抱いたことがあると思います。自分にとってはとても切実で大事な問題なのに、飲み会で話題に出すと「この人なに面倒なこと話しているんだろう」と冷たい目で見られたりしてあまり盛り上がらない。そんな議論が大好きな人たちが集まり土曜の昼から青臭いテーマを必死に話し合うことができます。講義を通してメンバーのことが好きになるにつれて、仕事や趣味以上に「考えることが好き」って人がつながる大きな共通点だなと感じました。

(text by 第一期卒業生 わごん)

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