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【第13期 実践!アーバンパーマカルチャー講義計画】
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3月17日(日)10:00-16:00
第1回 オリエンテーション:パーマカルチャーコミュニティの土壌づくり
〈内容〉
明治神宮の散策をしながら「森の仕組みや植物」(Urban Ecology, Deep Ecology, Holistic Learning)について理解を深めよう。フィールドワークから始まり、世界の現状も参照し、講義とディスカッションで掘り下げていきます。
・座学:パーマカルチャー的屋上ガーデンの例。
・菜園:苗ポットに種まき。永田町の全貌を見て、今後の菜園計画についてのディスカッション
・課題:苗ポットを持ち帰り育成して次回持ってくる。永田町屋上のイメージプラン
※10時に明治神宮の「明治神宮宝物殿前」の芝生に集合、雨天でも行いますが、台風など荒天の場合は中止とし、12:30から自由大学にて講義とします。
3月31日(日)10:00-16:00
第2回 INTRODUCATION TO URBAN PERMACULTURE
〈内容〉
パーマカルチャーとは何か、歴史と倫理、デザインの原則を学んでいきます。なぜいま都市でパーマカルチャーなのか。
パーマカルチャーの原則 1と2を中心に学びます。
・Kai’s permaculture story (challenges and inspiration)
・座学:Basics of permaculture design
原則1.Observe and Interact「観察し対話する」
時間をかけてじっくりと自然と関わることによって、私たちは様々な解決策を見出します。人同士も人と自然も、それら環境を生かし合える関係づくりとは?
原則 2.Catch and Store Energy
「エネルギーを集め蓄える」make hay while the sun shines 資源が豊かにあるときに集めて保存しておけば、必要なときにそれを使えるようになります。日の照るうちに干し草を作ろう。
季節ごとの保存食などもそのうちです。
・菜園:次回のキーガーデン用の場所作りと土作り、苗づくり
・宿題:キーガーデンデザイン
4月14日(日)10:00-16:00
第3回 コンポストと作物の育成
〈内容〉
パーマカルチャーにおいてコンポストは最重要。自然の循環がコンポストそのものだと言えるからです。「屋上」という風土は地上より難易度が高い環境です。発酵に関する知識や技術を学びます。良い土とはどのようなものか。微生物(乳酸菌、麹菌、酵母ガーデン)が有益に作用する「発酵」と「腐敗」の違いはどこにあるのか。菌や微生物など「目に見えない命の動き」も感じられるようになりましょう。
・座学:コンポストの多様性
・菜園:パーマカルチャーの手法「屋上にキーガーデンを作る」
→Compost と作物の育成を知り、生態系の循環を実践する
・宿題:夏野菜の特性についてのプランツプロジェクト
4月28日(日)10:00-16:00
第4回 地球環境とパーマカルチャーデザイン
〈内容〉
グローバル経済を支えるシステムが巨大になりすぎ、自然環境に過剰な負荷をかけてしまっている現代。地球規模で考えて、各々が地域で行動することが必要です。「PERMACULTURE DESIGN PROCESS 1 」地球環境問題をパーマカルチャーはどのように捉えるか。パーマカルチャーの原則3と4を中心に学びます。
原則3.Obtain a yield「収穫する」
自分自身も、だれもが成長し、生きていくために必要な収穫が十分に得られるように仕事をするにはどうしたらいいのでしょうか。心身ともに注いだ労力に見合った成果が実感できなければ、いずれ疲弊してしまいます。
原則4.Apply Self-Regulation and Accept Feedback「自らを律し、環境のフィードバックを受け入れる」
異常気象は人間活動へのフィードバックかもしれません。私たちはどのような暮らし方をしていくのかを探ります。
・菜園:夏野菜の種まき〜苗定植 パーゴラづくり
・宿題:水、エネルギー、食について調べる
5月18日(土)or 19日(日)
スペシャルガーデニングDAY
〈内容〉
夏野菜と花卉栽培、ガーデン整備をほぼ一日かけて行う(希望者のみ:日程と時間調整中)
5月25日(土)10:00-20:00
第5回 DOJO DAY:暮らしのREGENERATIVE DESIGN @千葉県いすみ市
〈内容〉
ソーヤー海さんの本拠地、千葉県いすみ市の「パーマカルチャーと平和道場」で、さまざまなパーマカルチャーシステム (水、エネルギー、食)を体感しながら、循環する暮らしのデザインについて学ぶ。頭ではなく心でつながる人間関係を育むために効果的なNVC 共感コミュニケーションのワークもおこなう1日です。夜は、檜のサウナと手作りのアースオーブンでパーマカルチャ的ピザパーティ!
宿題:再生可能な資源や自然の恵みを利用している例を探す
※10時現地集合。宿泊も可能です
6月30日(日)10:00-16:00
第6回 エネルギーの循環をデザインする
〈内容〉
「PERMACULTURE DESIGN PROCESS 2」エネルギーの循環について。主に水、エネルギー、食について、パーマカルチャーの原則5と6を中心に学びます。
原則5. Use and Value Renewable Resources and Services「自然の豊かな恵みを尊重していただく」
常に新しく生まれていく自然の恵みを生かし、再生不可能な資源への依存や消費活動を減らすにはどうしたらいいのでしょうか。ソーラークッキングや、昔ながらの動植物を丸ごと使いながらも育てていく知恵を学びます。
原則6. Produce No Waste「ゴミゼロを生み出す」
安価な大量生産品によって、「もの」の維持や修理に必要な技術の多くが失われています。「繕う」ことによって、私たちは「もの」を生み出したエネルギーと技術に敬意を払うことができます。ゴミは宝であり、ゴミをどうするかによって未来が変わります。
・菜園:夏野菜のつる誘引など 屋上の水やりシステムについて
・宿題:一ヶ月のゴミの記録
7月28日(日)10:00-16:00
第7回 アーバン雑木林からアーバンファーミングへ
〈内容〉
人間と自然の相互関係によって形づくられ、独自の生態系を生み出した「雑木林」には、都会で農を実践するアイデアが溢れています。パーマカルチャー原則7と8を中心に学びます。
原則7. Design From Patterns to Detail「パターンからディテールをデザインする」
一歩下がって自然や社会を俯瞰。それが私たちのデザインの骨子を形作り、ディテールはやっていくうちに自ずと埋まっていきます。木を見て森を見ず、にならないように、目先の不便や困難、あるいは刹那の快楽や利便性だけにとらわれず、大きな自然の仕組みや社会構造を把握することができますか。
( ゾーニング、セクター、スロープ等)
原則8. Integrate Than Segregate「分けるのではなくともにする」
適材適所を見出すと、相乗効果が生まれます。自分の適所、相手の適所、自然の適所によって、互いに支え合い、活かし合う関係を築きます。集団行動で人間関係に疲れるのではなく、力を合わせて仕事が楽になるようにするにはどうしたらいいのでしょうか。
・FW:皇居で(武蔵野の森を再現した)人工雑木林を観察
・菜園:屋上のプランターの配置の再考と実践(モバイルファームの利点)
・宿題: 秋冬野菜についてのプランツプロジェクト
8月25日(日)10:00-16:00
第8回 自然農、有機農業と土壌の関係
〈内容〉
農法の変遷と土壌について。土壌はあらゆる文化の基礎であり、それなしでは私たちは生きていけません。ゴミとされる有機廃棄物を堆肥にし、健康的な地元の食べ物を育てて食べられるようになるには、土壌への理解が不可欠です。世界の土壌の特質を学び、都市でも食料自給の一助を担うにはどうしたらいいのか。また堆肥を多く投入しない自然農の考え方も学びます。
・菜園:秋に向けての土作り
・宿題: コンパニオンプランツについて調べる
9月29日(日)10:00-16:00
第9回 資源について考える
〈内容〉
アセットマッピングについて。パーマカルチャー原則9と10を中心に学びます。small is beautiful, slow food とは何でしょう。大きく早く!ではなく、小さくゆっくり〜 足元の資源をていねいに使えば、軌道修正も簡単で、心地よい暮らしにつながります。
原則9. Use Small and Slow Solutions 「小さくゆっくりはじめる」
現代社会の問題は、「急がば回れ」でほどけていくのではないでしょうか。小さなことをコツコツ続ける。手仕事や家庭菜園で何かを作ることでも、その意味が実感できます。
原則10.Use and Value Diversity 「多様性を大切にして活用する」
1種類だけの作物だと病気で全滅することがあります。多品種栽培は全滅をまぬがれるだけでなく、互いに成長を促進します。人間にとっての害虫害獣といわれる生物の生態系における役割は多様性の強さとなっています。人間社会における多様性の尊重も同じです。
・菜園:秋冬野菜の種まき。屋上の多様性調査。屋上雑草をランチに活用
・宿題:自分の周りのアセットマッピング作成
10月27日(日)10:00-16:00
第10回 CityRepair story〜都市の可能性
〈内容〉
「シティリペアの実際」について、海外や東京の事例から何が学べるでしょうか。それぞれが独自の変革の可能性を持っていることに気づけば、新しい都市のあり方が見えてきます。パーマカルチャー原則11と12を中心に考えます。
原則11 .Use the Edges and Value the Marginal「エッジを利用し、余白に重きをおく」
端っこや余白は豊かな泉。異なるものが接するところ、一見忘れられているところに、多様性と創造性があります。実は都市環境はエッジに満ちています。屋上はビルの先端であり「余白」です。
原則12. Creatively Use and Respond to Change「変化をクリエイティブに受け入れ生かす」
環境、自分をよくよく観察することで、将来に起こる避けられない変化に対応するだけでなく、それを生かすことができます。ビジョンとは「物事をありのままに見ること」でなく、「将来どうなるかを見ること」なのです。
・菜園:屋上のエッジ確認、収穫作物でランチ
・宿題:自分の周囲のマスタープラン作成/編集
11月24日(日)10:00-16:00
第11回 Harvest 学びの収穫
〈内容〉
この一年近くに渡る講義プログラムで起こった自分自身の変化とともに、地球環境や社会の変化に対応する力を身につけられたでしょうか? 各自、またはグループで実践からの考察を発表して卒業とします。パーマカルチャーの理念は円環状にめぐるので、何度でもどりつつ発展させていきましょう。
・Master Plan お披露目
・Open Space:これからやりたい事
・卒業式
※講義計画は、受講生の関心とガーデンや社会の状況に応じて必要な内容を選択するため、多少変動する場合がございます。ご了承ください。