講義情報

過去に向き合うための哲学

過去に向き合うための哲学

対話で見つけるもっと自由な世界

BREAKTHROUGH & FREEDOM-circleBREAKTHROUGH & FREEDOM
過去に向き合うための哲学

講義について

あなたには、戻りたい過去がありますか?

ああすればよかったと後悔することもあるけれど、それなりに満足のいく人生を送っているあなた。そんな時、一度だけ自分の望む過去のある時点に戻ってやり直せる薬を手に入れたら、あなたはそれを使いますか?

あの時勇気を出して転職していれば、もっとやりがいのある仕事をしていたかもしれない…。あの時強がらずに「別れたくない」と言えていたら、いまも隣にあの人がいたかもしれない…。あの時あいつをゆるせていたら、いまも親友だったかもしれない…。

そんな「あの時」に戻ることは、現在を否定することかもしれません。過去の決断を変えることなんてできないのに「戻りたい」と願うあまり、いまを生きることが難しくなることはよくあること。でも「あの時ああしていれば…」と思う気持ちを止めることも難しい。わたしたちにとって「過去」とはなんなのでしょうか。

「後悔に意味はあるの?」
「過去に生きることはいまを捨てること?」
「過去は本当に変えられないの?」
「わたしたちは過去とどう向き合うことができるの?」

過去は、なんとなく向き合うことが怖いテーマ。ぐるぐる一人で考えても心細いし、どの考えが正しいのか、すぐにはわからないものです。だからこそ、対話をしながらみんなでゆっくりじっくり考えてみませんか?

哲学的な対話で、もっと自由に生きませんか?

古代ギリシャのアテネ。哲学者ソクラテスは毎日のように街の広場(アゴラ)に足を運び、市民との対話を重ねます。「正義とは何か?」「知とは?」「国家とは?」「愛とは?」。対話こそが、哲学の始まりでした。

時は流れ、2017年。誰もが生きづらさを抱える困難な時代。「多様な人間がどのように共存できるか?」「そもそも人はわかりあえるのか?」ということが、いま世界で問われています。この状況で一番必要なこと、それは「他者との対話」です。

今を生きるため、そしてよりよい未来を創るためには、まずはじっくりと「過去」に向き合うことが大切ではないでしょうか? そのためには、既存の答えや常識、社会通念に従うのではなく、自ら思考し、よりよい答えを探究する必要があります。そして、多様な価値観や意見を尊重し、考えを深めるためには、一人で考えるだけではなく、ともにこの世界をつくっている他者とのコミュニケーションが不可欠なのです。

 

一人一人が哲学者!

この講義では5回に渡って、あまりに身近すぎて普段考えないテーマ、「自由」「後悔」「責任」「伝統」「ゆるし」を掘り下げます。

受講生のみなさんが主役です。自分で考え、自分の言葉で話すことが何よりも大事。みなさんにも“哲学者”として参加していただき、自由に語り合う時間を設けた“対話”型の講義にします。

事前に哲学の知識は全く必要ありません。答えは、本や偉人たちの頭の中にあるものではなく、私たちが一緒につくるものです。一方的に知識を与える日本の旧来の教育システムでは、考える力は伸びません。“絶対正しい答え”が存在しないのに、教えることは誰にもできないからです。

哲学的な対話は、相手を論破し、勝敗を決めるディベートとは異なります。すぐにひとつの答えは出ません。しかし「人それぞれ」でも、安易な共感を求めるものでもありません。すぐにはわかり合えない多様な人たちと、とことん問い合い、わかり合うことを目指しながら一緒に考える“協働”こそが、いまの社会を生き抜き、未来を築くために最も大切なことなのです。

講義では担当キュレーターがファシリテーションをしながら対話に参加し、哲学のガイドをします。さらに毎回講義の最後に対話中に出た論点を整理し、哲学史を踏まえながらその回に関する哲学者の理論や学説も紹介します。

 

他者との対話であなたが変わる、他者が変わる、コミュニケーションが変わる。

そして、世界が変わる。

“自由”を目指し、これからの未来を一緒に創っていきましょう!

 

講義のポイント

・哲学的な思考やコミュニケーションが学べる

・今まで気付けなかった自分の“問題”を発見し“深い考え方”ができるようになる

・多様な価値観に触れることで、広い視野を手に入れられる

・普段は話しづらいテーマをじっくり深められる

 

キュレーターからのメッセージ

哲学は理由を探す旅だと思います。何となく分かったつもりになっていることや、疑うことなくずっと信じてきたことが私たちにはたくさんあります。この世界に自分しかいなければそれでも困ることはないけれど、他者の存在は私たちの「当たり前」を揺さぶるでしょう。違和感、困惑、驚き、不安、怒り…ここから哲学が始まります。それは、自分が何となく引き受けてきたこと、ただ信じてきたことに理由を探し、他者に理由を問い、そして共有できる理由を共に探究していく旅です。目的地の「真理」は陽炎のようで、なかなかたどり着けないかもしれませんが、旅の道程を一緒に楽しみましょう。

(第3期募集開始:2017年8月21日)

こんな方が対象です。

・「当たり前のこと」を疑ってみたい人

・自分の頭で本質を考える力をつけたい人

・コミュニケーション術・思考術を身につけたい人

・哲学が好きな人、興味のある人

・多様な価値観に触れたい人


講義計画

第1回

導入:哲学ってなんだ?

哲学ってよく聞くけどそもそも何だかよくわからないという人は多いのではないでしょうか。初回は、哲学とは何か? そして哲学がなぜいま必要なのか? を考えます。そして「自由」をテーマに少しだけ哲学対話をしてみましょう。

「未来に対してだけ自由なの?」「過去って変えられない?」「わたしたちは過去の奴隷?」「全てから自由になることは可能?」「人間は運命に縛られてる?それとも自由?」

第2回

後悔ってなんだ?

失恋をした時、誰かを傷つけた時、大事な試験に落ちた時。過去の出来事を変えることはできないのにわたしたちはいつも「後悔」をします。「こんな時間もったいない」「今を生きるべきだ」というのもわかるけど、なぜわたしたちは過去を省みるのでしょうか。

「あのときああしてれば今は本当に幸せなの?」「後悔することで救われる?」「後悔しない人は軽薄?」「後悔する時間があったら未来について考えるべき?」

第3回

責任ってなんだ?

自由、他者、社会、歴史、過去、さまざまな問題を哲学的に考える際に必ずぶち当たる「責任」の問題。Responsibility(責任)とはそもそも「応答すること」で、哲学上最も重要な概念の一つです。

「責任をとれば何してもいいの?」「何をしたら責任が果たされることになるの?」「人の責任を負うことはできるの?」「どこまでが自分の責任?」「原罪ってある?」「責任感が強いって美徳?」「戦争の責任はどうしたらとれる?」「国の責任は個人の責任?」

第4回

伝統ってなんだ?

古来から、国や文化圏、宗教を形作ってきた「伝統」。人も文明も恐ろしいスピードで入れ替わり変化していくのに、なぜ過去のものを守り歴史を重んじなければならないのでしょうか。歴史や伝統、古典の意義について考えてみませんか。

「なぜ伝統や歴史が重要視されるの?」「古典は残ったからすごいの?すごいから残ったの?」「消えてくものと伝統になるものの違いは?」「いつから伝統になるの?」「どこからが破壊でどこからが創造?」「伝統と新しい文化はどうしたら共存できる?」「固執と保存、線引きはできる?」

第5回

ゆるしってなんだ?

最終回のテーマは「ゆるすこと」。人は、過去の自分をゆるせるのでしょうか? 未来を見据えながら今を生きるわたしたちは、過去の自分とどう折り合いをつけるべきなのでしょう。自己に対してだけでなく、他者や社会に対する寛容さについても考えてみましょう。

「過去の自分をゆるせる?」「ゆるすってそもそもどういうこと?」「ゆるされないことなんて存在するの?」「ゆるすことと向き合わないことは同じ?」「寛容って本当にいいこと?」

田代伶奈

キュレーター

田代伶奈

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今井祐里

キュレーター

今井祐里

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スケジュール

講義名
過去に向き合うための哲学
日程

第1回:10月 7日(土)13:00-14:30 

第2回:10月14日(土)13:00-14:30 

第3回:10月28日(土)13:00-14:30 

第4回:11月 4日(土)13:00-14:30 

第5回:11月11日(土)13:00-14:30 

定員
15名 ※定員になり次第締切
申込締切日
10月3日(火)
授業料
28,000円(税込)
キャンパス

COMMUNE2ndメインキャンパス

補講について
欠席した場合、 教授・キュレーターにご連絡頂き、次回講義の30分前に補講が受けられます。 ただし、初回講義案内時にお知らせするメーリングリストにて、欠席のご連絡を予めいただいていた方に限り対応いたします。

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