講義レポート

美味しい魚のある暮らし

「さかな学」キュレーター 茂木 みかほさんより

私には、記憶に残る魚介類の味が、いくつもあります。自分で釣ったシマアジの刺身、気仙沼の漁師さんにもらった獲れたてのマボヤ、柏島で食べた透き通るアオリイカ……。

本当に美味しい魚介類を食べた時、何とも言えない幸福感に包まれます。と同時に、「あー日本人でよかった」と思います。こんなにも豊富で新鮮な魚介類を、さまざまな調理法で食せる国が他にあるでしょうか?

私は釣りをするようになってから、魚の味や料理法に興味を持ち、少しずつ詳しくなっていきましたが、それまではさほど気になりませんでした。
それは、本当に美味しいと思える魚介類に出会ってなかったからかもしれません。

でも新鮮な魚介類を釣りで入手できるようになってからは、釣りあげてからの過程や調理法で、驚くほど味が変わることを知ることができました。
それからは新しい魚に出会う度、どうしたら美味しく食べられるか、興味が尽きません。

「釣りができなければ、新鮮な魚介類に出会うことができないの?」と思われた方もいると思いますが、それは違います。魚の選び方や簡単な調理法のコツを学ぶことで、日常でも十分に美味しい魚を味わうことできるはずです。

本講義では、魚と繋がりが深い現役の漁師や魚屋さんなどからも話を聞き、日々の生活でも美味しい魚と出会い、食べることのできる方法を一緒に学んでいきたいと思っています。美味しい魚に出会えることで、魚屋さんに行くこと、料理を作ること、ホームパーティーを開くことなどが楽しくなるはずです。そして最終講義が終わるころには、少しだけ魚通になれると思います。ぜひ、美味しく魚を食べる“魚食”をテーマにした、少しだけディープなお魚の世界を覗いてみませんか?

「さかな学」キュレーター 茂木 みかほ



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