講義レポート

山の楽しみ方は千差万別

「東京・日帰り登山ライフ」講義レポート

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生まれも育ちも東京の下町、おまけに海抜ゼロメートル地帯。そんな山と無縁な環境で育ったせいか登山に憧れはあっても、手段や方法が分からず最初の一歩を踏み出せずにいました。とはいえ、昨今の山ブームもあってか、周りには少なからず登山を楽しんでいる友人もいて、すぐに登山を始められる環境にあったのも事実です。ただ、彼らが楽しむ「登った山の高さを競うストイックな登山」は自分には不向きな気がして、自分なりの登山の楽しみ方はないかと模索する日々が続いていました。そんな折、偶然見つけたのが自由大学の「東京・日帰り登山ライフ」でした。東京近郊にある低山への日帰り登山という気軽さは、登山を始める上でのハードルをぐっと下げてくれる、まさしく探し求めていた最初の一歩。「登山ライフ」という言葉も、趣味として登山をライフスタイルに取り入れられる気がしてピンときたキーワードでした。

150417subフィールドワークでは宝登山へ。

そんなこんなで受講を決めた訳ですが、全5回の講義では前半に「東京近郊の山の特徴、もしものための保険への加入方法、登山届の出し方、アウトドアギアの学習、登山マナー、パーティー登山の実施方法、登山計画の立て方」など、山に関する基礎知識を座学形式で習得します。後半は、フィールドワークの実施やその成果を発表する機会もあり、本当に盛り沢山で、あっという間に過ぎていく充実したものでした。中でも、初めて尽くしの私にとって「登山用具を全て買い揃える必要がない」ということを教えてもらえたアウトドアギアの回は目から鱗。キュレーターである大内征さんが、手持ちのアイテムで登山を楽しむ工夫を実体験から熱く語ってくれました。このような工夫や実体験に基づくノウハウを聞けるのは自由大学ならですし、大内さんだからこそ話せるポイントだったのではと思います。

また、改めてこの講座を振り返ってみると「山の楽しみ方は千差万別」ということを実感できたことが一番の収穫でした。この講座では、第1回目の講義にて「ただ登るだけの登山」ではない山との向き合い方を学びます。山を介して地域理解を深めること、神話や歴史を身近に感じること、山料理、山ヨガ etc。山を楽しむ方法は山ほどあって(山だけに)、どうしてその山に登るのか?といった理由や目的を考える機会を与えてくれます。このような「ただ登るだけ」でない、その山に登る理由や目的があると、都内近郊の低山であっても高山にも負けないくらいの大自然を満喫でき、山の楽しみ方も多様に広がっていくのです。そんな「千差万別な山の楽しみ方」を教えてくれた自由大学の「東京・日帰り登山ライフ」を受講できて本当に良かったと思います。

150417yoga (570x380)フィールドワークでみんなで山ヨガ。
150417hodosanjinja (570x380)宝登山神社にも参拝。

私と同じように、登山を始めたいけれど最初の一歩が踏み出せない方がいらっしゃったら、ぜひこの講座をオススメしたいです。私自身、これまですごく遠くに感じていた山との距離が、卒業後に一気に縮まって山を身近に感じられるようになりました。そんな「東京・日帰り登山ライフ」を一緒に楽しみませんか?

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(text:東京・日帰り登山ライフ第12期生 宮崎 浩一さん)



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