講義レポート

書を探求する 果てなき旅へ出かけよう

「もう一度、書道」講義レポート

自分の字が乱れているかも、と感じたことはないですか?私は、仕事のアイディアを出すのに手書きを多用します。ある日、過去に書き留めた資料を見返すと、自分の字に少し残念さを感じたのです。字が乱れているなぁ・・・

「字は、心の鏡」

故人は、言い得て妙な言葉を残すものです。ストレス、プレッシャー、時間との戦い、現代人の抱える悩みは、心身へと伝播し、文字というアウトプットに影響するのです。我々は心の鏡を曇らせ、書く字が乱れやすくなる環境を自ら選び生活しているのかもしれません。自分の字が乱れたままで良いのでしょうか?私は、乱れていない状態の自分の字と出会いたくなりました。でも一体どうやって?

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そこで参考にしてみようと思ったのが他人の字。特に名書家の美しさからは、学ぶことが多いはずです。今回受講した「もう一度、書道」は、この名書家の作品をひと通り学び、文字の基礎的な成り立ちを知り、自分で好きな書体と好きな文字を選んで練習していくという興味をそそられる進行でした。文字本来の意味を知り、美しい字とは?についてみんなでディスカッションをしたことで自分の字について考えをめぐらすことが出来ました。

そして私は感じました。今まで只々上辺を書いていただけで、中身が無い単なる記号を書いているのも同然だったのではないだろうかと。文字ひとつひとつに由来と実は思いもよらない意味がある。私はもっと「心」が入った文字を描きたいと強く思ったのです。

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まさに書への旅準備が出来たと言っていいでしょう。でも、私はこの旅に一人で出発するのではありません。ここで得た仲間、指南頂いた平野燿華教授やキュレーターは、これからの書の探求には無くてはならない存在です。これからも果てしない道を探す日々が続きそうです。

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(text:第1期卒業生 加賀美知希さん)



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