講義レポート

自分らしいライフスタイルにもつながる盆栽作り

「新盆栽学」講義レポート

こんにちは、学長の和泉里佳です。この秋からスタートした新講義「新盆栽学」は、植物についての様々な知識を楽しく学びながら、苔玉・寄せ植え・一本立ちなど毎回必ずひとつずつ盆栽を制作できるワークショップスタイルの講義です。スタートの第1期ということで、私も受講生の皆さんにまざって一緒に学ばせてもらいました。
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盆栽を学ぼうという受講生の皆さんは、ご自身で畑を持っているという野菜栽培の達人から、とても簡単と言われた観葉植物でも必ず枯らしてしまうという、ある意味すご腕の持ち主まで、幅広く個性豊かなメンバーが集まりました。
日本はこの小さな島国日本だけで17000種もの植物があるそうです。世界でもこんなにたくさんの種類が一カ所に生息している豊かな地域は稀で、その分植物に関する技術や楽しみ方も世界でもトップクラスを誇っているとのこと。
盆栽はもともと中国から唐の時代に「盆景」という形で日本に伝わりましたが、日本人ならではの自然観や、繊細な感覚、侘び寂びの心、季節感やセンスで、現代の「盆栽」まで究められ、今では世界中の人々から楽しまれているBONSAI。盆栽は、植物・土・器・空間すべての要素でひとつの世界を創っている。そんな話だけでも日本人としてワクワクしてしまいます。

新盆栽学では毎回、枯山水、苔玉、寄せ植え、一本立ちなど毎回それぞれのテーマで盆栽をひとつずつ作っています。さらに毎回使う器も、植木鉢の本場常滑や九州で陶芸作家さんの作品を使えるという贅沢。
季節の植物に触れ、時の流れを感じながら作ったカワイイ盆栽が毎週1つずつ増えていくことで、メンバーの中には盆栽のための部屋の模様替えをしたという人もちらほら。小さな盆栽が、要らないものに囲まれていた息苦しい生活を見直すきっかけになり、自分らしい生活・ライフスタイルをゆっくり考える時間を持つことができる。そんな効果もあるのですね。

教授の塩津丈洋さんは、盆栽の師匠の元で修行を積んだあと、その経験を生かして現在では様々な植物を元気にする植物のお医者さんとして活躍している、まさに植物のプロフェッショナル。植物に関する豊富な知識を楽しく、そして植物について初めて学ぶ私たちにもとても分かりやすく説明してくだるその笑顔と人柄で空気が和み、みんないつの間にかとても仲良くなっています。これから5年10年と長く付き合っていく盆栽、一緒に育てる仲間ができることもタカラモノですね。
次回は具体的な盆栽づくりの作業などもレポートします。



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