講義レポート

ナリワイの種の見つけ方

「ナリワイをつくる」講義レポート

年間パスポートを取得し、今年1年キャンパスライフ探究家として活動させて頂く鈴木麻里子です。記念すべき第1弾「ナリワイをつくる 集中講義」講義レポートの前編をお届けします。(後編はこちらからどうぞ

この「ナリワイをつくる」という講義は、月3万円の仕事を10個持つという、ひとり一つの仕事で生計を立てていくのではなく、ひとりで複数の小さな仕事を持つ生き方を提唱し、実践していくコミュニティを広げる講義。今までの仕事の概念から自由になれるヒントを探しに受講してきました。

■ナリワイの種の見つけかた 〜その一、にわか予言者になること〜
教授の伊藤さん自身が会社員時代に激しい市場争奪戦に巻き込まれた経験から、奪い合いの起きない小さな仕事は、心身ともに健康であり、それを複数持つことが変化の早い時代のリスクヘッジにもなる、という考えから実践しはじめたのがこの「ナリワイ」。現在は「モンゴル武者修行ツアー」や「床張りワークショップ」などを始めとした思わず詳しく聞いてみたくなるような、ユニークなナリワイをお持ちです。
そのナリワイ作りに興味を持った13人の受講生のみなさんは、職種はバラバラながらも、既存の働き方に疑問を持つ人、ひとつの仕事・肩書きで生計を立てることに限界を感じはじめた人、と何か他の働き方は無いものかと模索しているという共通点が自己紹介から浮かび上がってきました。

続いて、事前にもらっていた宿題の『4年後の予言をしてみる』の発表。自分では思いつかなかった予言が多く、思わず頷いてしまうものばかり。「レーシック、シェア、新卒のオールシーズン採用の一般化。新生児が100万人を割り結婚・出産のあっせん強化」など、これは間違いないなというものから、「義務教育に「介護」が入る。韓国まで高速道路が通る。花壇の畑化」など、今では一般化するのが想像しづらいけれど、もしかしたら4年後は…と希望も混じった意見が飛び出しました。

これは予言を当てるということが目的なのではありません。4年後という全く予測不可能ではない近い未来に目を向けることで、頭が回りだすというのがミソ。これを訓練し続けることで情報を使える形でキャッチできるようになるんだそうです。当てることが目的ではないですが、当たったらちょっと嬉しいですね。4年後に8期の仲間と読み返してみたりして。

■ナリワイの種の見つけかた 〜その二、世の中に「?」を見つける目を養う〜
ナリワイをつくることと同じくらい大切なのは「無駄」に着目すること。今の暮らしから例えば月3万円の支出をカットすることは、ナリワイ一個分に相当することを忘れてはいけないと伊藤さん。支出を大幅にカットするためにアタックすべきは毎月かかる家賃などの大きな支出。「生きてくためにはかかって当たり前」の支出の部分に思い切ってテコ入れをすること、これが意外とできない人が多いんだとか。
プロではないと出来ないという思い込みを捨て、例えば井戸掘り、 水道管工事の技術を習得してそれナリワイにする→習得する人を集めてワークショップ化してナリワイにしてしまう、という大胆な方法も飛び出しました。個人的にはかなり衝撃的でした。

そんな「無駄」や「いかがなものか、どうにかならんか」を受講生たちで考えシェアをしました。分刻みスケジュールのパック旅行、辺鄙なところにある公共施設、窓が遠く光が差し込みにくい大型オフィスビル、個性のない駅ビル、美味しくもないお通し…など無駄なモノ、疑問が浮かぶ概念や習わしがぞくぞくと出てきました。自分で解決できるものから社会の仕組み上すぐには変えられないものと様々でしたが、当たり前にそこにあるものに対して「?」を見つける視点が新鮮でした。「無駄だと分かっているのに、人はなぜそれをやめないのか。無駄に終わらせないためにはどうしたらいいのか」を考えることにもナリワイの種がつまっているのです。

ナリワイをつくる講義レポート前編」いかがだったでしょうか。次回は実際にナリワイをつくる方法論をお届けします。お楽しみに!

■ 後編「「生きる」と「働く」が近づくナリワイ」



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