講義レポート

歴史や文化的側面から知る仙台のこと、震災のこと。

キャンプ in 仙台 活動レポート

~雑誌「仙台学」編集長・千葉由香さんのお話~

シリーズでお届けしているサマーキャンプin仙台のレポート、第3弾今日のテーマは「仙台という街」についてサッカースパニッシュ卒業生でサポートスタッフの大内征さんからです。

こんにちは、サマーキャンプin仙台スタッフの大内征です。
仙台市出身として、『ちょっとでも宮城・仙台のことを知ってほしい』というシンプルなテーマを出発点に、このプロジェクトに参画しています。
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特に、歴史や郷土文化といった側面から宮城・仙台の魅力に触れてもらい、過去から今に至る震災前後の宮城の様子を感じてもらうことができれば…。雑誌『仙台学』編集長の千葉由香さんに相談したのは、こうした背景からでした。
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宮城はもちろん東北の各地を取材している千葉さんのお話は、震災の前後を直接目にしている方だからこその説得力と、第一線で活躍する編集者ならではの鋭い視点と表現があり、印象に残ったお話がいくつもありました。
2005年からスタートし、年2回発行している雑誌『仙台学』は、2011年7月現在、11冊を数えます。その過程で取材してきた多くの地が、今回の震災でなくなってしまった…。しかし、と千葉さんは言います。
このことを前向きにとらえれば、これまでに作ってきた雑誌『仙台学』は、震災前およそ5年間の”仙台近代史”を編んできた、今となっては貴重な郷土記録書でもあるのだと。
手にとってみると、なるほど、いわゆる伊達政宗に代表されるような歴史話とは異なり、独自の着眼点から仙台の市井の端々をあぶりだしています。
例えばこれまでの特集テーマはというと、駅裏、広瀬川、宮城の山、仙台の食、旅や文学、みちのく怪談、そして東日本大震災など、どれも興味深いものばかり。これこそ本当の仙台を知る最適な教材なのではないでしょうか。(琉球新報のニュースでも最新号の「東日本大震災」が紹介されていました)
今回の講座では雑誌『仙台学』をはじめとした書籍の即売会も行い、多くのキャンプ参加者に手にとっていただくことができました。みなさんにも機会があれば、ぜひ読んでみてください。
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ところで、千葉さんは、このキャンプの参加者のほとんどが宮城・仙台に来るのが初めてで、これまで縁がなかったこの地に何かしらの関心を持ってやってきたということを聞き、丁寧に話し伝えようと思ったそうです。
それは、あれだけあった瓦礫が片付いていく一方で、自分たちでもそこに何があったのかわからなくなっていることと無縁ではなく、そこに住む人の暮らし、目に見えていたものがなくなっていく中で、それを知りたいと思う人がいるのであれば、ちゃんと伝えるべきなのではないか?そう思ったそうです。
そうしたスタンスで自由大学のプロジェクトにご協力いただけたことに、まずはこの場を借りて素直に感謝する次第です。そして願わくば、またお話を聞く機会がありますように。



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