講義レポート

伝統と革新、家族や兄弟と働くワークスタイル

「アメーバワークスタイル」講義レポート

時代の変化に合わせた変幻自在で自由な働き方を創っていく「アメーバワークスタイル」。受講生の佐伯久美子さんが講義の様子をレポートしてくださいました。

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兄弟経営と印刷会社の新しい挑戦
今回のゲストは長野県松本市にある藤原印刷株式会社の藤原兄弟。いずれは後を継いで兄弟経営をしていくお二人です。兄、藤原隆充さん。大学卒業後は東京で働いたのち祖母の開業した会社を引き継ぐため家業に入りました。最初の2年間は印刷オペレーターとして現場でもがきながら一つ一つ関係を作っていき、今はお酒も一緒に飲める中に。現在は、松本の本社で採用や経営といった本部機能を任されています。

弟、藤原章次さんは、わがままに、誰に何を言われても貫き通すタイプ。兄と働きたいと願うも5年間家業に入ることを断られ続け、2年半前にやっと藤原印刷に入社。現在は東京支社での営業として活躍されています。

伝統的な会社を継ぐために必要な「オモイ」
藤原印刷は現在、電子書籍部門を持っていたり、出版費用をオープンにし出版社を挟まない新たな本作りに対応したりと、いろいろな取り組みで印刷業界に新しい風を吹き込んでいます。しかし初めからこのような動きを快く受け入れられた訳ではありませんでした。電子書籍事業では若いチームを作り、仕事の合間を縫ってこっそりと事業を進め、名のある会社と少しずつ仕事をし、納得させていったそう。

社内での反対意見に対しては、face to face で説得し、「10年先も20年先も社員のみんなが幸せでいる」という共通のゴールに対し、違うアプローチが必要だということを伝えているそうです。

印刷業界を変える印刷会社の立ち位置
藤原印刷の新規案件は紹介や問い合わせのみで、飛び込み営業、テレアポはしないそうです。「印刷会社はあくまでも下請け」という従来の立ち位置ででしゃばらないことをよしするのではなく、違うことは違うといい、印刷会社にしかわからない工夫を伝える。出版社のための仕事よりも「いいものをつくる」ということを一番に考えることをしています。受注産業の中で忘れられていた「たまっていく知識」に目をつけ自らアクションを起こす、この行動は印刷業界だけでなく、色々な業界に当てはまると思いました。

現代社会のIT化の流れの中で突っ走っているかっこいい会社
そもそも印刷業界は固い業界。その業界で風通しよく仕事をすること、見えない暗黙のルールをいい意味で破ること、まさにアメーバ的な働き方です。もちろんその中に、基礎をしっかり学ぶことや、これまで会社を築いてきた方々への尊敬も忘れてはいません。でも、30 年後も同じやり方をしていたら、と想像すると強烈な危機感を感じたそう。

印刷会社はクライアントの要望に追いつこうと努力しているのにそれが当たり前で報われない現状だが、そうではないことを社内にも社外にも伝えていきたい。だから出来る人がいなければ自分でやるなどアメーバ的に働きかけ、今もなお突っ走っています。伝統だからなにも変わらないのではなく、新しいものを取り入れるから続いていく部分もあるとのこと。諦めずにアプローチをしていき、それが実績につながり、新しい藤原印刷を作り出しています。

藤原印刷だからではなく、自分にも置き換えられる問題だと思いました。こうだから出来ないという固定概念をぶち破る突破口として、アメーバワークスタイルラボはぴったりだと思います。アメーバ的に働くことで、不可能を可能にする。未来に向けて働くことを感じる講義でした。

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毎回、アメーバ的働き方を実践していらっしゃるゲストの方と個性あふれるメンバーで作り出される学びの場。何が起こるかわからないサプライズ感満載の授業、まずは毎回恒例自己紹介から。今回は前回の宿題に出た「私に【頼みたい】こと」「仕事の悩み」を交えながら行いました。回を重ねるごとにみんなのことがいろいろな角度からわかっていくのでいつも新鮮です。



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