講義レポート

お金=不安というお化けに立ち向かう武器

子どもに伝えるマネー哲学【本科 / オンライン】講義レポート

子どもに伝えるマネー哲学」は、わたくし石田智美(Lecture Planning学第2期卒業)がキュレーターとして企画・立案した講義です。

毎日のように使うのに、日本では学校でも家庭でもあまり教えてもらうことがない「お金」のこと。「お金って何なの?」と子どもに聞かれたときに答えられる大人になるためのこの講義。

何もしないとこんなに資産は減る… 目を背けたくなる現実にショックを隠せないメンバーたち

2~5回はゲスト教授にお越しいただき、お金のことをお話いただきました。「お金のことを話すのは、はしたない」という印象をお持ちの方もいらっしゃるでしょうが、どの方もいい方ばかり。そして、本当に大事にされているのは、お金の先にあるもの、お金では買えないもの。

第2回 吉川 美有紀さん(ライフコーチ)

「まず自分がどうしたいか、それを知ることが大事」とお話しくださった吉川さん。お金の専門家・ファイナンシャルプランナーである吉川さんから、お金の基本的な知識を教わりましたが、「知識はもちろん必要ですが、その知識をどう生かしていくのか、何のためにお金を増やしたいのか」と、お金と自分との関わりについて考えさせられた回になりました。

第3回 大江 英樹さん(経済コラムニスト)

第3回の大江さんは、経済と人間心理がどう結びついているのかを研究する学問・行動経済学の観点からお話をいただきました。ただ不安だから保険に入る、何となくお得そうだから買う、損したくないで決めるのではなく、「根本的にどうなっているのか」という視点をくださった大江さん。物事の本質を見る目が大事ですね。

第4回 近内 悠太さん(教育者・哲学研究者)

お金を介さない「贈与」という観点からお金についてお話いただいたのは、昨今話題の本『世界は贈与でできている』の著者・近内さん。哲学者である近内さんらしく、最後に結論めいたことはなく、それぞれに考える余地のある締めくくりとなり、受講生の皆さんにとっても、改めて「お金ってなんだろう?自分はどうしたんだろう?」と頭をフル回転する回となりました。

第5回   大高 健志さん(MotionGallery代表取締役)

「例えお金を出さなくても、自分がいいと思うこと(モノ)、伝えたいこと(モノ)に共感してもらえたら嬉しい!」と教えてくださったのは、クラウドファンディング会社Motion Gallery代表の大高さん。なかなか自分の好きなもの・いいと思うものを、声高にいいと言える人ばかりではないと思いますが、お金を出すということは、共感していることの意思表示。出せるお金がなくても、「あなたのそれってすごくいいと思う」と伝えることが、頑張っている人の力になると感じられた回でした。

●では実際に受講生からの生の声を聞いてみましょう。まずは、S.M.さん(会社員)いかがでしたか?

−講義を終えての感想は?

「お金のことが、何となく不安」 そんな方、意外と多いと思います。私はそうでした。でも、その不安はとても漠然としていて。

お金の何に対して、なぜ不安なのか?どうしたいのか。自分なりに考えている時に目に入ったのがこの講義でした。資産運用とかの話も聞けそうだし、面白そうだし、オンラインで気軽だし…と申し込み。そして、毎週木曜、本当に色々な角度からお金の話を聞いて。

マネーリテラシーやマネープランのお話、感情が判断を左右しているという事実、ギフトで回る世界、クラウドファンディング運営の想い…目からウロコが落ちながら、時に笑いながら毎回楽しく参加しました。

漠然としているからこそ不安だった「お金」。新しい視点を複数知り、相談しあう仲間も得て、不安というお化けに立ち向かう武器を貰ったような気持ちです。自分なりに戦いだす一歩が踏み出せる講義でした。

 

もうひとり、K.H.さん(会社員)にインタビューしてみましょう。

−講義に興味を持った理由は?

お金の勉強をしたいと思っていたので。また、「子どもに伝える」というフレーズから、噛み砕いた分かりやすい内容を教えてもらえるものかと思いました。初心者でもついていけるかなと期待し、受けてみようと思いました。

−講義で印象に残ったゲスト教授の言葉がありましたら教えてください。

大江さんの「お金は社会の血液。金融(屋さん)は血液がうまく循環するよう血管のような役割」という言葉が印象的でした。

−受講前と後ではどんな変化を感じていますか?

基本的になんでもそうですが、自分が得た知識や知恵をもとに動かないと、何にも変わらないということ。

同じようにビギナーの仲間と共に学べたことで励みになりましたし、ハードルを感じていたことでも、「まずは口座を開設するだけでも!」など小さなステップのアイデアが以前より出るようになりました。

また、得た知識をもとに、「金融のことで、こういうことをもっと勉強してみたい」と思うなど、次のステップへの免疫ができました。

−講義の雰囲気

オンラインなどで基本的には一方通行型の講義スタイルだと感じました。しかしながら、少人数だったことや、キュレーター石田さんのご配慮もあり、質問がたくさんできる時間や懇親会があったりで、アットホームな雰囲気で良かったと思います。オンラインの繋がりの薄さがカバーされていたと個人的には思いました。

 

いかがでしたでしょうか?

身近な人も含めて、なかなか周りの人と話すことがないお金のこと。仲間と話すだけでも「自分ってお金に対して、こんなことを思っていたんだ」と気づきが多いようです。

さらに、各分野の専門家であるゲスト教授から、様々な観点でお金のことを聴くので、なおのことお金に対する新たな発見があるようです。

子どもに伝えるマネー哲学では、巷にあるお金のセミナーと違い、知識を入れるだけでなく、

・お金のことで迷子にならないようにする
・お金のことを多角的に見られるようにする
・お金のことを話せる仲間を作る

ということを大切にしています。

あなたも、周りの人と話してみるという小さなステップから、お金のことを始めてみませんか?

 



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