講義名からもわかるように、自分の特技と知識を活かし教室をひらきたいという方が受講する。講義では、自分にだからできる事を骨組みとし、社会とどうかかわり、いかにその受講生にしかできない教室を作り上げるか、という内容を5回の講義で練り上げる。
最近、講義に集まる受講生に変化が起きている。
以前は副業として、ライフスタイルとして教室をひらきたいという人が多かったのだが、 ワークショップをひらきたい、その方法を学びたいという受講生のボリュームが増えたのだ。
そして、最近の受講生は大きく3つのタイプに分けることが出来る。
【タイプ1:リスク回避堅実型】
まずは楽しくワークショップをひらきたい!という、自信が付いたら教室をひらく事を視野に入れ、活動を徐々に進めていくリスク回避堅実型。
【タイプ2:コミュニティー構築型】
ひらきたい教室のカテゴリーに特にこだわりはないが、自分を中心としてみんなと一緒にワークショップをひらきたいコミュニティー構築型。
【タイプ3:スパイラル的マッチング型】
技術や知識を持って教室をひらきたいという方と、何か一緒に出来ると楽しいかも!のマッチング型。
以前からマッチング型の受講生は、常に存在していたが、隠れマッチング型として講義の中で積極的に意見を交換する事は少ないのが特徴だった。しかし最近のマッチング型は、かなり明るく前向きな性格で展開も早く、素敵で惚れてしまいそうになる。その3つの例をあげてみる。
例その1)
Web制作をナリワイにしたい受講生+教室のHPを作りたい受講生=IT自習室開催でマッチング成立。
例その2)
オーガニック料理教室を開きたい受講生+自宅スペースの活用アイディアを考えている受講生=子供が参加できる食育型ワークショップでマッチング成立。
例その3)
野菜のおいしさを伝えたい受講生+地元の魅力を伝えたい受講生=地元野菜の新しい食べ方を提案するワークショップ開催でマッチング成立。
今後、さらに受講生同士のプロジェクトがマッチングしていくだろう。従来型の教室のひらき方との変化を感じるが、そこに違和感は不思議とない。
「小さな教室をひらく」という講義は、そもそも人が集まっている場所の作り方を伝える事を得意とし、そこになぜ人が魅かれ、結果を導き出すかを分析するワークショップ型の講義である。 そこに受講生同士のユニークなアイディアが重なり、マッチングや小さなプロジェクトが新たに生まれるのだと思う。
解りやすくスピードが求められる現代だからこそ、小さな教室をひらくという講義から、 様々なプロジェクトのマッチングと新しいスタンダードが生まれるのだと思うと、それも至極誇らしい。
*****廣瀬 祐子 さんオススメの本 *****
「クリエイティブリユース」
大月 ヒロ子 , 中台 澄之 , 田中 浩也, 山崎 亮 , 伏見 唯 , 著
最近、少しずつ日本にも浸透してきたupcycle。
廃棄されたモノやポンコツになって利用価値がなくなったモノが、アイディアや発想の転換等で新たな使命を持って蘇り、社会へと再循環する。
それがアートであったり、日用雑貨であったりクラフトであったりする。
upcycleクラフトは、新鮮であり、常に見る人を感動させる“してやったり感“を持つので興味深い。
本を読んだ後、捨てるモノをわざわざ掘り起こしupcycleしてみたくなって、
捨てないコトが楽しくなる本です。
( 担当講義 : 小さな教室をひらく, 教授:廣瀬祐子 )