講義レポート

お年玉を何に使っていましたか?

子どもに伝えるマネー哲学 キュレーターコラム 石田智美

子どもの頃、私はお金をあんまり使わない子でした。お年玉はほとんど貯金。母が郵便局の定期預金に預けてくれた最初の2万円は、年利5%で10年間預けるだけで約1.5倍の3万円になりました。10年が経った私はちょうど高校生。お金の仕組みなどよくわからなかったですが、お金が増えていくのは不思議だし、なんだか嬉しいなと思ったのです。

小学1年生で初めてもらったおこづかいは、固定給+歩合制。毎月固定の500円に、進研ゼミをやると1冊につきプラス500円がもらえるというルールでした。普段、家で勉強したくない私は進研ゼミを溜め込んでいましたが、ほしいマンガが発売になるときは別! 1日で1・2冊を終わらせて、おこづかいを増やして、ほしいものを買っていました。今になって思えば、私は身近なお年玉やおこづかいや、誰かの要望に応えることで、お金を増やすことを体感していました。そして、それが大人になり、働いてお金を稼ぐこと・投資をすることに繋がっていったのです。
大人になると「子どもがお金と接する機会はあまりない」と思いがちですが、意外とあるものです。特別にお金の教育をする機会を設けなくても、まとまったお金のもらえるお年玉、定期的にお金のもらえるおこづかいなど、そのときに大人がどんなルールを設けるのか、どんな渡し方をするのか。その方法で、子どもは自分で考えて学んでいきます。

【影響を受けた本】

「わすれられないおくりもの」スーザン・バーレイ作・絵

アライグマのおじいさんは、みんなに様々なものを遺していきます。みんなの人生を豊かにしていったおじいさん。子どもの時は漠然と「アライグマのおじいさんみたいになりたいな」と思っていました。子どもながらに、自分が本来持っている価値観で感じることがあったのでしょう。大人なって改めて読んでみて、私が死んでいくとき、その場から去ることになったときに、「何」を残していけるかを考えるきっかけになった本です。

 

text : キュレーター 石田智美



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