講義レポート

未来へ吹く風

未来を歩く姿勢学29期 講義レポート

最初のウォーキングの動画。

見事に首が落ちている! 今で言うスマホ首。小学生のころから本が好きで、いつも図書館で借りては読みながら下校。今もって本、そしてスマホにPC。ウン十年の年季の入った姿勢はおいそれとは治らない。数年前に気づくには気づいたがあまりにも馴染んでいて、当初はそれがみっともないという感覚すら、もてなかった。

そしてそのためか、眼はいつも一点凝視。高校のころ、偶然目があった同年代の子が「ガンつけてる」と隣の友達につぶやいたのが聞こえた。動画でも、しっかりレンズを見つめていた。ナンテコッタ!

 

講座初日は座学から入る。姿勢がその人の印象を左右するだけでなく、その人自身にとっても体のありよう、心のありように大きくかかわっていること、姿勢に注意を払うことが気分をコントロールする術ともなることなど、参加者に問いを投げながら、講義が進む。そして、よい姿勢が体に負担をかけないことを、簡単な道具立てで納得させてくれる。効果的な肩の運動、丹田の鍛え方。よい姿勢の練習は宿題。

 

2回目からは、歩く。歩く。ああ、歩くってこんなに複雑な仕事だったのか、と思うほど、爪先から頭の天辺までのバランスや筋力、柔軟さ、呼吸……、総動員して「歩く」にのめり込んでいく。

裸足にもかかわらず、左右にブレる。普段は勢いに任せて誤魔化していたということか。丁寧に一歩一歩、歩くことを考える。

ところが突如、「歩いた後ろに花が咲くイメージで」との先生の声。場が変わる! みんなの表情も変わる! イヤイヤ、マッテ、マッテ。???の嵐。そう、一点凝視で前しか見ていない私には後ろはないのだった。その時はわからなかったけれど、今はそうだったとわかる。文字との付き合いが多い私はイメージで動くのも苦手。あー、びっくり。。。

 

そしていよいよ「未来を歩く」の深~い意味が迫ってくる。それは漠然とした憧れや謳い文句的な修飾ではなくて、今現在の歩く姿勢、歩くことのなかに「なりたい自分」「ありたい自分」を先取りし、実現させ、まさに未来へ踏み入っていこうという、ものすごい企てだった。いわば、歩く体をタイムマシンにして、なりたい自分の未来へ行ってしまおうということ。

そのために2回分連続の3時間の講座は、靴を履いての歩きを身につけ、新たに撮った動画と初回の動画とを見比べながら、ひとりひとりが現在の自分を確認する時間だったと思う。宿題で考えてきた自分の「なりたい」を言葉で表現すること、シェアすることで、まだ曖昧さの残る「なりたい」を具体的な、地に足の着いた「なりたい」へつなげる。みんなが自分自身と向き合い、メンバーひとりひとりと向き合う。難しいけれど率直で、真摯な場が生まれた!

 

いろいろなしがらみから「自由になりたい」私は、むしろ自分が自分の価値観で自分を縛っていること、周りの人が見ている私というものが自分で考えている私とは異なって多面的であるのに、そういう自分を無視し、受け容れないでいたことを知らされた。

何より、目線。目の前で合掌した手を左右へ開いていくという動作にのせて一点凝視をほどいたら、私は柔らかな世界に包まれていると感じてしまった! 何と幸せなコペルニクス的転回!

 

最終回の宿題は改めて「なりたい」を言語化、プラス、歩くときにかけたい音楽や服装などトータルになりたい自分を仕上げてみる、というもの。残念ながら、私はまだ殻に亀裂が入ったばかりのひよこだ。それまでの縛り、固定した見方をなしにする、という意味で、白の、緩い服にした。冠婚葬祭以外はジーンズ、もやめて、脚を出してみる。

風を感じた。きっと、未来へ吹く風。

 

篠田先生のひとりひとりに対する洞察に敬服です!

メンバーの皆さん、稀有な時間を共有できて幸せです!

心からのありがとうを贈ります。

words:Katy(ケイティ)



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