先日ニュースにもなっていましたが六本木にある青山ブックセンター六本木店が38年の歴史に幕を閉じるという報道を目にした方も多いのではないでしょうか。こちらのお店は、80年代後半から90年代にかけてアートやサブカルチャーの中心で六本木という街のランドマークのような本屋さんでした。インターネットが今ほどない時代。流行を追う人は、最先端の情報が編集された本や雑誌が集まる場所と紙メディアから最新情報を得ていたのでしょう。
現在、自社ホームページがつながりにくくなっており、申し訳ございません。
この度、青山ブックセンター六本木店は、6月25日(月)をもちまして営業を終了し、青山ブックセンター本店に統合することとなりました。皆様の温かいご支援の中、これまで営業してこられましたことを厚くお礼申し上げます。— 青山ブックセンター六本木店 (@ABCROPPONGI) 2018年5月7日
「いい本屋がある街は、いい街だ。」という言葉がありますが、こういった昔から続く本屋さんが無くなっていくというのを目の当たりにすると、少し街や時代の変化を感じてしまい、寂しいものがありますね。そしてこういった話に必ず出てくるトピックの「web×紙」、「オンラインショップ×本屋」という対立構造。よくメディアで取り上げられるこの対立構造は果たして本当なのでしょうか。
自由大学では、初夏のこの時期に「Publisher入門」と「未来の本屋学」という紙メディアや本、本屋にまつわる二つの新講義を立ち上げました。
「Publisher入門」は、本や雑誌などの紙メディアを「コンテンツ(作り手、伝え手)からの切り口」で考えていく講義です。今、何か情報を伝えたい時に、果たして手軽なwebやSNSだけで良いのでしょうか。紙メディアが持つ影響力、色々とあるメディアの中で紙メディアをどう組み合わせていくのが、広くそして深く伝えていける方法なのでしょうか。これらを学んで、伝え手としてのメディアとの付き合い方を考え、Publisherとしてzineなども作っていくことを考えていきます。
もう一つの新講義「未来の本屋学」は、冒頭のトッピックを含めて年々街の本屋が無くなっていくことにつけ、「本屋や本が集まる空間の切り口」でこれからの本屋として人と本が出会う仕組みを考えていく講義です。街や人々の生活の中にどのように溶け込んでいけるかを新しい視点や自分の中から湧き上がってくる視点を元に探求していきます。
ここまで読んでいただいた方は、もうお気づきかもしれませんが、この二つの講義は密接に関係し合っていきます。例えばPublisherとしてzineを作った場合、それらを販売していくことを考えた時に、zineの世界観が一番伝わりやすい状況(=本屋)はどんな仕組みが考えられるかなどと発展していき、一方、自分が考える未来の本屋像が出来上がった時には、それらを体現する何か手に取れるものが必要になってくるのは自然な流れかもしれません。
本や本が集まる空間(書棚や書斎)は一番よく自分の趣味やスタイルが現れるものです。
ぜひ一緒に探求し合い(二つの講義のダブル受講も大歓迎です。)自由大学から本や雑誌、そして本屋、大きくとらえたメディアのムーブメントを軽やかに作っていければと思います。