講義レポート

ミクロとマクロの視点を使い分けて考える

「地域とつながる仕事」講義レポート

こんにちは、「地域とつながる仕事」のインターンをしています大学生の井上奈緒子です。

「自分にとって仕事とは?」普段生活している中で考えているようで、この言葉の定義を自分なりに掘り下げる機会ってあんまりないのではないでしょうか?

「地域とつながる仕事」の第二回は、早稲田大学・大学院教授の友成真一先生が来てくださり、「地域」「働く」「生きがい」などについて様々な視点から考える機会となりました。私は大学生で就職活動を目の前にし、自分にとって働くとは?生きがいとは?と毎日悶々と考え、頭の中がぐちゃぐちゃな状態でした。でもぼんやりと、自分の直感や熱い想いは大事に働きたい、と思っていました。そんな時にこの講義の存在を知って直感に刺さり、行くしかないと。

冒頭で友成先生が考案した「キミの名は?」というアイスブレイクを試して盛り上がりました。

マクロとミクロの話
まず、友成先生から内なるモヤモヤを整理するための思考パターンとして、より大きな世界を考えるマクロな視点とより小さな世界を考えるミクロの視点を教わりました。簡単に言うと、マクロな視点とは、社会問題を理論化や一般化することで、ミクロな視点とはひとりの人の幸せや「人間」の本質的意味を考えるもの。

就職活動をしていると、社会との繋がりについて質問されます。「あなたは社会をどう変えたいの?」「どうやったら社会に大きなインパクトを与えることができる?」と。いかに大きなことをやって収益を得るかが大事、と思わなければならない錯覚に陥るほどです。これは、先生がおっしゃるようにマクロ方向に強烈な圧力があるからなのかなと気づきました。反対に、ひたすらものの本質を考えたり、誰か一人の幸せとは何か考えたりする人はそう多くないのではないかと思いました。

タコつぼと素ダコの話
もう一つの思考パターンとして、タコつぼと素ダコという面白い例えを教わりました。タコつぼとは学歴、役職、お金、資格、大学など、いわゆる表面上に示せる肩書きたちです。反対に素ダコとは、心、幸せなどの目には見えない人の本質です。

どうしても日本の社会は、タコつぼを大きくしようとする傾向が強いようで、いい大学いい会社、いい給料、いい役職を望むべきというのが「普通の考え方」とされているように思います。もちろんこの考え方が悪いとは思わないけど、私には合わない考え方だと否定的にみていました。しかし、思考パターンには正解はなく、視点を使い分けて考えることバランス加減を先生や参加者の皆さんから再認識させてもらいました。

この講義で最も印象的だったのは、友成先生の「今のモヤモヤは解決されない、死ぬまでモヤモヤする。苦しみの中でモヤモヤをもがきながらみんな生きていくんですよ。」という言葉。10代から50代まで、様々なバックグラウンドを持った面白い方たちが全国から集まるこの講義。自分のモヤモヤは今だけじゃなくて、これからも続くこと。みんな挑戦してはモヤモヤしての繰り返しているのだということ。この二つに気付いた時、少しだけ荷が軽くなった気がしました。

秘めた素ダコは実は熱い
最後に、それぞれの皆さんの自分自身についてワークシートに書き出し、10年後どんなタコつぼと素ダコになりたいのか自由に表現しました。
「なんかうまく言葉にできないけど、絵でイメージを描いたらこんな感じに生きていたい」そんな自分の心の中にあった小さな希望をみなさんに思うままに話すことができた。反対に、この短時間でみなさんの心の中の熱い想いを奥深くまで聞くことができた。このシェアできているこの空間がすごく心地よく、と同時にとても刺激的でした。

講義は終わりです、と声がかかり、友成先生がお帰りになった後も、自然とずっと話が続いていて『あ~、この空間がステキだなぁ』とほっこりしていました。
これからあと数回ある講義。みなさんと一緒にモヤモヤを考えて吐き出してできると思うと楽しみで仕方ないです。

誰もが素ダコの自分に目覚めたとき、話が止まらなくなります。



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