オリエンテーション
この講義に集まったメンバー同士の自己紹介をしながら、自分の興味関心や「自分にできること」を掘り下げて行きます。講義のすすめ方についても共有します。
誰かの夢に相乗りして、地域を盛り上げて行くという選択
誰かの夢に相乗りするという生き方があってもいい
この講義を担当する友廣裕一です。
これからどんなふうに働いて生きていくのか。まだ働く前の人も、しばらく働いてきた人も、その手がかりを探しながら生きているという人は多いと思います。
なぜなら、働くことは生きることだから。一回限りの人生を、どうやってつかっていくのかは、人生の大きなテーマの一つですよね。かくいう自分もかつてはその1人で、学生時代から、その後まで、安易に自分の人生を誰かに委ねるのがいやで、ひたすらに”自分の仕事”を求めて動き続けていました。
自分の仕事をつくるというと、いわゆる”起業”をイメージし、そこまで自分に強くやりたいことはない、と諦める人も多いと思います。世の中にいるごく一部のスーパーマン/スーパーウーマンを思い描いては、そこまで自分にはパッションもエネルギーもない、とテンションを落とす。かつての自分はそうでした。夢とか、強くやりたいと思うことがない。そんなコンプレックスを抱えていました。でも、自分の人生の主導権を手放さずに生きたいという気持ちだけはありました。一度きりの命なのに「妥協するのが大人だ」なんて、最もらしく正論を語る大人にだけはなりたくなかった。
世の中では、立派なリーダーとして自分の夢を実現する、みたいな話ばかりであまり語られませんが… 誰かの夢に相乗りするという生き方は、実はおすすめです。
熱がこもった言葉を交わすところから自然と生まれるもの
ぼくの場合は、大学を出てから就職をせず、これといって特殊な技術も専門性もないまま、当時関心があった「地域に関わる仕事がしたい」という思いだけで、全国各地の農山漁村に暮らす農家や漁師、酪農家や林業家の方々を訪ねる旅をすることになりました。(ここに至るまでの紆余曲折は話すと長くなるので、興味のある方は講義でたっぷりお話しますね)
各地で80軒以上の家に泊めてもらいながら、ともに働き、暮らしに加えてもらうことで、それぞれ短い期間でしたがとてもたくさんの学びを得ました。 そしてその旅で、世の中には、すごい能力や知識を持っていても、それが活かされていない人がいるということを知りました。何年も、何十年も積み上げてきた話を聞いていると、自分もワクワクしてきて、それを話している相手も盛り上がってきて、「一緒にやろう」とどちらともなく言う。施しでも、自己犠牲でもなく、想いが重なること。そんな瞬間が、ごくたまに現れました。
相手の夢と自分の夢のあいだで
そんな風にして、それまでは存在しなかったことが、世の中に生まれるということを何度も経験しました。そして気づいたら、相手のそれが、自分の夢とか、やりたいことになっていくんです。ぼくはいま複数のプロジェクトや事業に関わらせてもらってますが、ほとんどがそんな経緯ではじまっています。ものづくりから小売業、農業、水産業、デザイン、国際交流、学びの場づくりから医療、酒づくりまで…ほんとに幅広い分野に関わらせてもらっています。自分の中に具体的なテーマとか夢がなかったからこそ、逆にいろんな人の夢に共感して相乗りすることができるんじゃないかと思ってます。
自分を活かして、人や地域や社会に役立つ仕事がしたいと思っている人は多いと思います。 いつかそんな仕事がしたいと思っていても、ぼくの経験上、ただ待っていても、いつかはなかなかやってこない。 ちゃんと本気で願うこと。そして、小さな行動を起こして、自分のいる環境を変えること。 難しいことではなくって、そんなことで現実は変わっていくと思うんですよね。この講義は、そんな機会になればいいなと思っています。
講義終了後、進行中のプロジェクトに参加できる!
実は2010年にこの講義の1回目をやりました。約8年の時を経て、満を持して再開することに。すっかり時間が経ってしまいましたが、当時の受講生16人のうち10名くらいが仕事を変えたりして、”地域とつながる仕事”を経験。なにか特別な学びが提供できたというよりは、よい環境ができたことが大きいんじゃないかと思います。悩みを共有したり、誰かの行動に勇気をもらったりすることで、小さな一歩を踏み出しやすくなったんじゃないかと思います。さらに言うと、現実的な仕事を変えなくても、地域と、そしてなにより自分とつながる仕事ができればいいと思うんですよね。
ちなみに今回のゲストはみんな、ぼくが一緒に仕事をしている人たちです。まずはどこかでなにかやってみたい、小さなアクションをしてみたいという人たちには、現場を紹介することもできます。もちろんすぐに仕事を辞めて、とかではなく、今の自分ができることを差し出してみる経験として、小さく動き出せるきっかけにしてもらえたらいいなと思ってます。
いわゆる田舎から、都会、そしてアジアまで。いろんなフィールドがあります。 すでにいろんな活動をしてきた人から、これからなにかやってみたいという人まで。ピントきた方は、ぜひこのはじまりの輪に加わってください!ご一緒できるのを楽しみにしています。
(第3期募集開始日:2018年1月22日)
第1回
この講義に集まったメンバー同士の自己紹介をしながら、自分の興味関心や「自分にできること」を掘り下げて行きます。講義のすすめ方についても共有します。
第2回
「社会」という「マクロ」なものから、「個人」という「ミクロ」な存在まで、複眼的視点から、地域とつながる仕事の意味を説き明かしていきます。夢を応援し合う場づくりについても考えていきます。
第3回
第4回
補講
農家、ライター、編集者、デザイナーなど過去の卒業生を中心に、各地で活躍している仲間たちとのネットワーキングを予定。
第5回
やりたいことを持っている人を支えたり、誰かの夢に相乗りするような役割は、どんな風に形づくっていけばよいのかを考えていきます。また、各々がこれからどんな風に歩んでいきたいのかを語り合います