講義レポート

講義と一緒に育っていく

DIYミュージック 第10期 講義レポート

2015年6月にスタートしたDIYミュージック、2017年3月で第10期を迎えることができました。

これまでの卒業生は100人近く、それぞれみんなユニークなバックグラウンドで、毎期初回の自己紹介は「今期はこんな人がやってきたのか!」と嬉しい驚きに満ち溢れてます。

第10期の最終発表は、ただ単に「誰でも音楽ってつくれるんだって気づくこと」「初めての音楽をつくりあげること」がゴールになるのではなく、講義を通して音楽がある程度つくれるようになったという経験を踏まえて、そこからさらに「自分を発見」「いつもは使っていない感覚を開く」「音楽をつくる経験を通しての気づきを、自分の活動や専門分野に応用する」という所まで広げていった受講生が多く、これは講義としてネクストステップにふみこみつつあるなあ、とひしひしと感じました。

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瞑想にはまっているツバサさんは、金沢旅行中に立ち寄った鈴木大拙館でジョン・ケージと出会い、それにインスパイアされた曲をつくるかどうかで、実際に手を動かして音を出し(←ここ重要です)迷い瞑想しながら、最終的には、自分の瞑想体験をお話という形でシェアしてくれました。

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建築学科の大学1年生のめぐみさんは、曲を何曲かつくったものの、最終的には「自分がもともとやりたかったことは、空間と音の関係を探ることだった」と気づき、音と空間をテーマにしたインスタレーションのための5つの建築模型をつくってきてくれました。

4月から新社会人になる「踊ることが大好き!」というソウメンちゃんの「みなさん曲に合わせて踊ってください!」という一言で、クラス全員が笑顔で踊りながら垂直教室の中をぐるぐるまわったり。

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音楽活動をしている旦那様を「楽器として」連れてきたebiちゃんは、初めてのライブパフォーマンスをご夫婦で実演してくれたり。

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他にも、「手を叩くと音が奏でられる電子楽器演奏」の提案と実演、「世界中の言語のアイラブユーをちりばめた曲」「女性の人生の一コマがテーマの4部作」「自分で撮影した建築写真と音の作品」などなど。どれもそれぞれの色が出ていて、ぎゅっと思いが詰まっている発表ばかりでした。

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もちろん、5回の講義の期間はあっという間で、最終発表の段階では、まだ迷いがあるのかなという感触の受講生や、作品の仕上がりに満足がいかない様子の受講生もいました。(自分のできることの可能性がグーンと増えたから、やりたいことの理想も高くなったという部分もあると思います。)

自由大学では、卒業後何年かして、急に何かが自分の中で蠢き始める受講生もたくさんいます。DIYミュージックの講義で植えられた種が、それぞれのペースで、それぞれの人生の中で、未来の何かに繋がって育っていったらいいなと思います。5年後、10年後に、DIYミュージックコミュニティがどんな風に育っているのか、期を重ねるごとに、どんどん楽しみになっています。

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(text by 教授 sawako



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