講義レポート

なぜ皆さんは本をつくりたいのでしょう?

「自分の本をつくる方法」受講生に聞く!シリーズ、今回は「動機と座右の書」について

世の中には、2種類の人間がいます。本をつくりたい人と、そうでない人です。全員が本をつくりたくなるわけではありません。それなのに、彼らはなぜ本なのか。本に惹かれる理由について、41期メンバーにインタビューしました。

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各自の書籍企画について練っているところ。その人にしか書けない、独自性をどう出すか。

41期メンバー <年末年始休暇に3日間の集中講義>
土屋いづみさん (植物療法家)
若杉アキラさん(iPhone写真家、旅人、不動産会社経営)
洪 性旭さん(社会学者)
夏野苺さん(写真家、エッセイスト、魔法使いの弟子)
篠原くるみさん(エンジニア、任意団体ジェンダーイコール創立者)
奥田麻菜美さん(人事システムコンサルタント)
なかむらさん(特別支援学校勤務)
岩崎さん (人材コンサルタント)
おおのゆりこさん(文筆業)
やすこさん(グラフィックデザイナー)

みなさんは、なぜ本をつくりたいと思ったのでしょうか?

おおの: 「本」が、自分にとって、とても大切なメディアだからです。テレビと違って、本棚で手にとられるまで、じっと待っている「本」ですが、ひとたび手に取られると、心への語り掛けの深さは、他のメディアとは比較にならないと思います。「本」という切り口で、自分が一番伝えたいことは何か、それをどう表現したいのかをもう一度考えてみたいと思いました。

若杉: 人生に迷い、悩み、孤独で心が押し潰されそうだった時、何度も本の存在に救われてきました。本の世界を通して対話できる著者の存在は、読者にとって唯一無二の友人になる事ができると思います。過去の自分が救われたように、誰かの心に寄り添い、心の友になれるような著者になりたいと思い、本をつくりたいと思いました。

土屋: 一つ一つの言葉の響きを丁寧に扱いながら、本ならではの表現や伝え方が可能ではないかと感じています。また、本を通じて今よりももっとたくさんの人に出会い、自然と調和した生き方、在り方を伝えていきたいと感じました。

夏野: 本の魔力を信じているから、でしょうか。子どもの頃から本のページや文字の行間にいる妖精の働きを感じていました。これは理屈ではない本能的感覚です。人間として頭を使い始めるずっと以前から感じていたことです。(母親の絵本読み聞かせの体験から始まっていること)大人になって今度は、本の魔法を自分で使ってみたくなりました。私が死んだ後にも、私の魔法が誰かのために残るように。

篠原: 感情を「言語化」することに、大きな価値を感じたから。本にして残すことで、どこかで一人で悩んでいる人の支えになれたらと思ったから。

奥田: 私は書くのも読むのも好きで、誰かが読んで元気が出るような本をいつか出版したいと思っていました。そして思うだけではなく行動に起こそうと思ったところ、自由大学の講義に知り合いが通っていたことを思い出してボタンをぽちっとしてみました。

なかむら: 本が好きだからです。手にした時の重さや紙の質感や、紙のにおいや目で見えるかたちやいろに惹かれます。本は、ページをめくるわくわく感や、読み終えた時の達成感や、自分が経験し得ない新しい世界との出会いがありました。中学生の頃から絵を描き、絵本を作っていましたので、内容はともかく、本を作ってみたいと思いました。

洪: 文章を書くことが好きというのもありますが、ただ書きたいことを書くに留まらず、読んでくれるかもしれない多くの人々を思いながら本をつくっていくことに魅力を感じました。

岩崎: 本によって成長を感じることが多かったです。ビジネスでは表すことの出来ない何かを本で表現出来たらと考えており、自分も作りたいと思いました。

やすこ: 1つの表現方法として。私はよく喋るタイプですが、大切なことや肝心なことを語るのは、どうしても恥ずかしさがあり、なかなか口にできないで逃げてばかりいます。自分の書いた物を読んで、人が元気になったり気分転換できたり、何かを考えるきっかけになったら嬉しいです。人は正面から出された駄目出しや指摘(押し付け)では動かず、読書など間接的に別の考え方を知ることで、自ら気づき、考え、変わっていくものだと思うので、そのきっかけを作りたかったからです。

そんなあなたの「人生に影響を与えた1冊」を教えてください

おおの:ずっとやりたかったことを、やりなさい」(ジュリア・キャメロン著)
「うまく書かなければならないという強迫観念」から自由になって、素直に心の中の「自分の声」に耳を傾けることを気づかせてくれたから。

土屋:生きる力 – 自然から学ぶ健康法」(井上重治 著)
著者は、私がアロマテラピーを学ぶ中で出会った恩師の一人です。亡くなられる前に最後に書かれた本です。帝京大学で、微生物と香りの研究をされておられましたが、自然の教えに沿って生きること、共生が大事であると教えてくださっています。感動と実用のバランスが取れている本です。

洪:月3万円ビジネス」(藤村靖之 著)
型にはまらない色んな生き方があると言いながらも、本当に成り立つ生活スタイルはなかなか見つからない。それを実際に40年近く実践してきた発明家・藤村先生の本です。内容は、冷静に言ってしまうと、私のような普通の人にとっては現実味の乏しい「夢物語」です。にもかかわらず、読み終わった後「私もやってみたい!」という気持ちが湧き上がり、実際に小さな実践を積み重ねるように行動パターンが変わってきました。

夏野:マーフィー100の成功法則」(産業能率大学刊)
14歳の時に偶然書店でこの本に出会い、衝撃を受けました。以来、本に書いてあることを実践し続けてきました。この本に出会ってなかったら、私は写真家になっていなかったと思います。

篠原:育休世代のジレンマ」(中野円佳 著)
自分の考えていることは間違っていない、声を上げることが大事だと背中を押してもらった本です。

なかむら:カラマーゾフの兄弟」(ドストエフスキー著)
どの登場人物の中にも、自分の姿がありました。人間の心の世界の奥深さ、未知の自分に出会えてとても驚きでした。読み終えるのがとてもさびしく、そして何度でも読みたい本です。

若杉:毎日が冒険」(高橋歩 著)
社会人1年目の秋、会社と自宅を往復するだけの毎日に疑問を感じるようになりました。その頃、知人の勧めで出会った本の著者の生き方に強く心惹かれました。世の中には就活にはない多様な生き方があることを知り、「人生は自分の選択で、いつからでもカスタマイズできるのだ」と思うようになりました。

岩崎:宇宙兄弟」(小山宙哉)
主人公が諦めていた宇宙飛行士を目指す漫画です。夢は諦めなければ叶うということを思い出させてくれる本です。現在も連載中で28巻まで発売されており、私は1−2巻読むごとに1回は泣いています。心震える漫画です。漫画が大好きでワンピース、ナルト、数々の漫画を所有しておりましたが、断捨離ブームに乗っかり、数々のお宝とお別れしました。ただ… この漫画だけは今でも部屋にあります。心震えたい人は読んでみてください。決して講談社の回し者ではありません。

やすこ:おおきな ものの すきな おうさま」(安野光雅 著)
小学1年生の時に、初めて書いた読書感想文の本でした。王様が求めるシンプルな「大きなもの」への欲求と、そんなことに何の意味もないという事実が、子供ながら胸にストンと落ちました。

奥田:ハリー・ポッター」(JKローリング著)
英語を学び始めたときに初めて買った洋書がハリー・ポッターで、この1冊を読めるようになろうと英語の勉強を頑張ってきました。授業での朗読を聞き取れるようになろうとしたり、友達と一緒に映画を観に行ったり、思い出深い本です。また、内容的にも愛の強さや友情の大切さなど、国境を越えて学ぶことが多かったです。そして、いつかJKローリングみたいに長年かけて1~7巻までしっかりロジックが流れている本を書くことに憧れます。

 

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41期のみなさん、ありがとうございました! 本が好きだから、本に憧れる。その気持ちはみんな共通なのですね。

講義「自分の本をつくる方法」 https://freedom-univ.com/lecture/ownbook.html/

講義「自分の本をつくる方法」 <集中講座>https://freedom-univ.com/lecture/ownbook2.html/

 

2009年自由大学創立時から続く定番の出版講義。7年で開講41期を数える。教授自身20代半ばから「生き方エッセイ本」を出版し始め、数々の著者プロデュースをしてきた経験と知識を元に「商業出版方法論」をまとめたプログラムが好評。知識だけではなく、ワークや執筆課題、発表、フィードバックなど実践的な内容で、卒業生の中から20名近い新人著者が生まれている。じっくり取り組む「通常講義」と、多忙な方や遠方の方向けに連休を利用した「短期集中バージョン」もある。

取材、撮影:オーディナリー編集部



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