講義レポート

自分の知見を定式化して皆をハッピーにする

「データサイエンスR道場」卒業生インタビュー

R道場の「R」とは、無料の統計解析ソフト「R」のことです。多くの研究機関、教育機関で利用されています。「R」を活用するにはコマンド入力(コマンドと呼ばれる命令文を用いてプログラムを動かす)する必要があるので初心者にはハードルが高かったのですが、この講義ではデータサイエンティストの中川達生さんにデータ化をすることの面白さに特化した講義構成にしてもらっています。今回は、第2期卒業生の加賀美知希さんに講義の感想を聞きました。

自由大学データサイエンスR道場
Q:なぜこの講義を受講したのですか?
加賀美さん:現在は社内システム管理の仕事をしています。隣の席に座っている人がWEB解析を担当することになり、統計の本を読んでいたんです。それで、統計に以前興味があったことを思い出しました。大学時代、入学したときから経済学的な視点で何かを考えたかったんですね。ビールの1杯目はなぜ2,3杯目に比べて美味しいのか?というのはモデルケース的に経済学でも説明できます。では、もう少し複雑な事をやりたいと思ったとき、なぜ株価が上下するのかを統計を使って説明し、卒論を書きました。そこで学んだ事を社会人になって発展させていなかった事に気づいたとき、この講義を見つけました。

Q:講義で面白かったことは?
加賀美さん:夏の暑い日は誰でもアイスの売上げが伸びると思っている。それをデータ化することで確信を得られます。これは一般的な統計学で因果関係を説明する方法です。それでどうするのか?が一番問題です。では在庫を増やすのか減らすのか、味を追求したほうが良いのか?それらを考えられるツールが学生時代に学んだ統計学で可能なんだ、と全てが繋がった瞬間ですね。

一番目からウロコだったのは、抽象的だからデータ化出来ないだろうな、と困っているのに教授の中川さんは「なんでもデータ化すればいいんです。」と言ってくれたんです。データサイエンティストは、データ化が不可能だと思っていたことをデータ化してしまう。今まで不可能だと思っていた事が可能なんだ!と思えた時に自分の中に沸き上がってくる興奮を覚えました。

Q:Rを活用してやってみたいことは?
加賀美さん:僕は過去13年で150台の社用のパソコンを選ぶという仕事を依頼されています。毎回、カタログを見ながらその時々でコストパフォーマンスの高いものを選ぶのですが、チェックする項目はだいたい決まっているんです。ハードディスクのスペックやパソコンの大きさ、軽さなどを指数に落として商品データと掛け合わせてば、僕だけに溜まっていた知見を他の人たちにも共有できると思いました。今まで数値化されていなかったものに統計を活用し、初心者でもある程度のところまで到達できると思います。

最終回の発表では、普段の仕事で活用できるアイデアを形にして発表しました。でも、実際にやってみて自分のつくった指数でパソコンを選ぶことは可能ですが、データを蓄積していかないと上手くいかない事に気づきました。完成度を上げていくにはまだまだトライアンドエラーが必要なので、卒業生を集めた勉強会も開催したいと思っています。まだ定式化されていない事を、誰でもその価値にアクセスできることを広めていきたいです。



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