講義レポート

世界と繋がる音の旅

「DIYミュージッック」講義レポート

音に向き合う

私にとって「DIYミュージック」は、音楽=「音に向き合う楽しさ」を教えてくれた講義でした。

受講生の中には、自分自身で作曲やCDリリースをしているセミプロのような人もいれば、私のように、今まで音楽制作はほぼ何もやったことのない人もいます。そんな状態で最終課題を発表するなんて心配していましたが、毎回とても楽しく、作品も無事つくることができました。

DIYミュージック02

そもそも、音ってなんでしょう?

いわゆる「音楽」「ミュージック」と定義されるような、意図的に曲として音が組み合わされているものだけではなく、平日のラッシュや旅先の朝の鳥の声、自動車の通る音など、日常生活の中で私たちは何気なく音と共に生きています。そういった普段忘れていた音に気づくことで、雑音でしかなかった音が意味を帯びて急に生き生きとしてくるのです。

また、音の捉え方の意識が変わることによって、今までは単なる音の集合体として感じていたメロディに対しても、その組み合わせ方や流れの意味に、注意を向けるようになりました。

音で旅をする

講義の中で、特に興味を惹かれたのが「world soundtrip」「sound map」「サウンドスケープ」という概念です。

言葉や食事のように、音もその土地の生活に根ざす文化であり、一つ一つが意味を成すものです。それは、どの国々もどの地域もどの時代も共通していることで、視覚的な映像だけでは伝えきれない表現を補ってくれます。

DIYミュージック01

例えば、夜明けに流れるお祈りの声、何気ない駅の雑踏など、旅先の街の音や会話をリズムに取り入れることで、その場所を連想し、その空気を感じることが出来ます。

また、録音した現地の音を共有することで、それを聴いた世界の誰かが気に入って、新たなアレンジが生まれることもあります。そういった連鎖によって、国境を越えて音が豊かに育ち、コミュニケーションが生まれていく。

最近では、KitchHikeやairbnbなどのサービスのように、世界の日常と繋がりシェアしていく環境が、オンラインとリアルの双方で育っているので、それらを上手く活用していけば、音の世界でも面白い科学変化を起こすことが出来そうだと思いました。

DIYミュージック00

五感で音に親しむ

講義の中では、実際に音を出す機会も多いのですが、音楽や作曲の素養がない受講生に対しても、やたら即興の無茶振りが多かったのも、印象的でした。

全くの素人に対して、いきなり「(初めて手にする電子楽器を前にして)15分後にパフォーマンスしてください」「(他の人がつくってきた歌詞に)メロディをつけて皆の前で歌ってください」と、容赦なくやらされました。

ただ、逆に考える時間がないお陰で、腹をくくらざるをえないこと、土壇場での瞬発力や発想にもつながってくることから、とりあえずどんな内容のものでもまずはアウトプットとして吐き出してみることは、必要だなと思いました。

やる前は「恥ずかしいくらい最低!」と思っていても、実際やって見ると、思っていたほど悪くなかったり、隣の人が好影響を受けたりなど、周囲との連鎖やコラボレーションが生まれることもあったことも面白かったです。

自分の音楽の楽しみ方が学べる「DIYミュージック」、まだ受講されていない方にはとてもオススメの講義です。この講義で音の楽しさを知ったので、今後も音楽作りを続けて行きたいと思っています。

Text:第5期卒業生 御門文



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