講義レポート

450分駆け抜けて気づいた、何かを始めようとするときに大切なこと

「コミュニティ・リレーション学」講義レポート

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「都会と田舎の関係から学ぶコミュニケーション術」

自由大学の各講義の紹介の内容を見た時に、なんとなく面白そうだなと惹かれてこの授業を受講したのですが、正直なところ、受講当初、このタイトルと授業の内容がきちんと自分の中で結び付けられなかったです。そんな私でしたが、全5コマの授業が終わってとき、このタイトルの意味が本当の意味で自分の中できれいにはまりました。

そもそも私がこの講座に参加しようと思った理由は、「コミュニティのあり方」に関して学べる感じなのかなと思ったからでした。日常暮らしている中で、大なり小なり、人はそれぞれなにかしらのコミュニティに属していると思います。そんな中で、なにか自分が新しく活動などをやっていきたいと思った時に、今後、そのコミュニティとの関わり方はどのようなものが理想的なのだろうか、そんなことを考えていきたいと思っていました。

また、「田舎と都市」に関しても、今後の社会において、田舎と都市がよいバランスを保っていかないと、なにかまずいのではないかという漠然とした危機感もあり、どうやったら資源(ヒト、モノ、カネ)を取り合うことなくよい関係を築いていくことができるのか、そんなことも問題意識として自分の中にあり、そのヒントを知りたいとも思っていました。

そういった経緯で、今回、私はコミュニケーション・リレーション学を受講しました。

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毎回の講義冒頭で、その日の気分や自分の身の回りに起きたことなどを共有するチェックインの時間があり、基本的には講義はグループワーク中心にすすんでいきました。授業の中身としては、

・どういう人たちがこの授業に参加しているのかをみんなでシェア

・今の田舎の現状や都市とのバランスの話

・エコロジー(ありよう)とエコノミー(すすめかた)の話

・自分自身の「話す・聞く」ことについて振り返る

・その人がどんな人か聞くためのいろんな手段を学ぶ

・グループのメンバーでやってみたいことを考える

といったことでした。

初回講義で信岡さんがおっしゃっていた、「『運営のためのわたしたち』から『わたしたちの運営へ』」という言葉が私の中では印象に残っています。総じて、このシフトの大切さを、体感した授業であったのではないかと思います。

授業でのお話の中で田舎と都市の関係性を今一度ひも解いたときに面白いなと思ったのが、信岡さんが田舎と都市をサッカーチームや夫婦に例えていたことでした。田舎と都市もサッカーチームや夫婦と同じで、「お互いを理解していくことが大事。チームとしてどう良くしていくか」、そのような視点は私にとって新しかったです。

田舎と都市のバランスは大事だが、どうやってそのバランスを構築していくか、そこが課題なのではないかと思っていましたが、この授業を振り返ったときに、どうやって構築するのか(すすめるのか)ではなく、まずは関係性(ありよう)を見直して仲良くなってくところから始めることが大事なのだな、となんだか自分の中で腑に落ちました。どんなことを大事にする人か、何をしたい人なのか。そこを共有するところから始まる。信岡さんの言葉を借りれば、「見えている世界観がちがうと認識するところから始まる」、これはどんなコミュニティにおいても通用する考え方なのではないかと思いました。

授業後半、「自分の大切にしたいことをベースにして、他人を巻き込みながらやってみたいことが、どうすればほかの人が大切にしたいことと一緒にできるのか。」という問いに対し、グループワークの中で話し合いました。

みんなが大切にしたいこと、やりたいことを話していったときに、無理にまとめようとしているわけではなかったのですが、最終的には、話が自然にどんどん盛り上がり、みんなが納得いく、共感できるようなところに着地できました。後から振り返るときれいにまとまったなと思いますが、正直、受講中は、この講義が最終的にはどこに行きつくのだろうという不安もありました(笑)。普段からの癖で、グループでなにか一つにまとめていかなくちゃという思いもあり、でもただ話しているだけだし最後どうなるのだろうかと思っていました。最後の講義の感想でも、参加したみんながほぼ同じことを言っていました(笑)。

ですが、最終的にはうまく着地したこともあって、なんだか最後はすがすがしい気分でした。このなぜかまとまった感覚がすごく不思議な感覚でもあり、ある意味当然の結果なのかなと思いました。そこで初めて、5回の授業の積み重ねが効いてきたのかなと思いました。このなんだか不思議な感覚は、ぜひ実際に講義に出て体感してほしいと思います。

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全体を通した感想としては、話をみんなとしていく中で、みなさん引き出しがいっぱいで楽しく、刺激にもなりました。また、その過程で、どれだけその人のことに興味を持ち、お互いの興味あることを引き出していくことができるか、そのプロセスが大事であると思いました。

通常、何かを誰かとすすめていこうとするときに、まずこの目的があって、こうやってすすめていって…、といきなりどうやって形作っていくかばかりに先走ってしまうけれども、遠回りに見えても、まずはメンバーがどんな人たちなのか、何がニーズなのか、それを分かち合うことが、最終的には、早くゴールにたどり着けるのかな、そこからいろいろうまれていくのだろうなということを感じました。そういった一連のプロセスを、この授業では疑似体験できたのではないかと思います。講義を終えて思ったのが、お互いに関する話を深めていく過程は、それぞれの世界観のすり合わせをしていたのだなということでした。

今後、なにかこのメンバーで具体的に動き出していくかもしれないし、そうじゃないかもしれないです。ですが、いつもと違った視点から、これから動き出すヒントをもらえた気がします。今後もなにかをやる際は、この講座で得た視点、まずはその人がなにを大事にしたい人なのか、それを共有するところを大事にしたいなと思います。どんなコミュニティにおいても、すすめ方ばかりにとらわれず、本当に大事な関係性づくりから始めていきたいなと思いました。

「都市と農村の関係から実際に起きている課題を知り、コミュニティの構造を知り、身近な関係からデザインする力を磨いていくことを通じて、コミュニティとコミュニティの関係という規模で物事を捉えられるようになることがこの講座の目的です。」というこの講座の目的に、最終的には達することができたのではないかと思います。

(text:第4期卒業生 日野智子さん)

コミュニティ・リレーション学



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