自分がやりたいことを軸に、自由に世界を駆け巡るための旅を考える講義「じぶんスタイル世界旅行」。これまで第4期までが修了し、卒業生の数も40名ほどになりました。この講義の本当のおもしろさは、実は”学んだ後”にあります。
■次に会うのは“世界のどこか”で
講義の中に「《ついで》を徹底的に活用しよう」という話があります。せっかく旅に出るのなら、旅を作りこむのと同時に「ついで」にできることをとことん入れてしまう。それは飛行機のトランジットにも言えます。あえて乗り継ぎ時間の長い便を選び、途中降機してもう1都市楽しむ。そんな楽しみ方もあるんです。
実は昨年、わたしキュレーター武谷朋子が今住んでいるベトナム・ホーチミンシティに卒業生の西村拓也さんがトランジットを活用して遊びに来てくれました。マレーシアへ旅の乗り換えでホーチミン。滞在時間は7時間ほど。短い時間でも異国の地で新しい体験もできること、何よりこうして世界中のどこかで再会できること、それが理想じゃなくて現実に起こり得ることなんだと再確認できた楽しいひとときでした。
よく卒業生のみなさんとは「次は世界のどこかで会いましょう!」という話をしています。次に会う場所は必ずしも日本だけじゃない。今年もきっと、世界中のどこかで再会する機会が訪れそうです。
■旅にプラスアイデアが加わるコミュニティ
この「じぶんスタイル世界旅行」は学ぶだけじゃない、講義が終わってからが本当のスタート。講義で作った「じぶんスタイルな旅」をしに何人もの方が旅立ち、今までとは違う旅のおもしろさをレポートしてくれています。卒業生のこれまで旅した場所も様々ですが、渡航履歴だけみても50カ国を超えています。「自分が次に行きたい旅は、卒業生の誰かがすでに経験している」ということもたくさんあり、不定期で開催している集まり(ギャザリング)では、旅の話が尽きません。
このギャザリングは、全期の卒業生を対象にしているため、期を超えて他の卒業生と知り合いになったり、同じ興味で繋がった方同士でまた興味の種が膨らんでいったり。旅に行きたい欲がかなり刺激される場なのです。昨年末に開催した時には、「世界のビール☓おつまみペアリング旅」と題してベルギーを旅してきた林花代子さんと、東ティモールで3ヶ月ボランティアの旅をしてきた太田睦さんから写真と共に臨場感あふれるレポートが。思わず食事の手を止めて真剣に聞き入ってしまうほどの内容でした。
現地を旅してきた人の話、それが「じぶんスタイル」な旅であればあるほど、それはガイドブックで見るような情報とは全く異なります。リアルでいて、ユニークな視点。その人らしい観点で見てきた世界や感じたことを聞くほどに、それがただのインプットだけでなく、必ず次の自分の旅に活かせるプラスアイデアがいくつもあるものです。それは同じ旅先でなくとも。
「じぶんスタイル」な旅を始めると、きっと世界の見方が変わります。そして、そんなじぶんスタイルな旅をするたくさんの仲間がここにいます。今年はこの仲間の中からまた新しいことが生まれそうですよ。
(text & photo キュレーター武谷朋子)