講義レポート

月はロマンティックに傍にある

「月を愛でる暮らし」教授キュレーター対談

新講義「月を愛でる暮らし」がリリースされました。

どんな思いで企画されたのか、おふたりにお聞きしました。



教授:丸山明 星空コンシェルジュ。天体観察暦は、中学生時代に始まり現在に至る45年。

キュレーター:川又沙智 ハワイで南十字星を観てから星空に夢中。自由大学で丸山先生から薫陶を受ける。



川又:
丸山先生は「星空コンシェルジュ入門」という講義を持っていますよね。今回はそれとは別に「月の講義」をしようという話でした。

 

丸山:
星空コンシェルジュ入門クラスでも月の講義は1回ありますが、月を詳細に観察するところまでいれると、時間が足りません。みなさん、月に対して興味はあるけれど、じっくり見る機会は少ないのでしょうね。月を楽しむ習慣が、現代人の中で薄れてきているのかもしれません。

 

川又:
確かに、毎日「きれいだな」なんてみることはありますが、月の形やクレーターの名前はなかなかわからないですね。

 

丸山:
月は宇宙空間で一番身近な天体でありながら、それを意識する人が少ないですね。私自身もお月見をしっかりと丁寧に行うことはほぼなくなりました。それを楽しむためのススキや場所など、簡単にできなくなってしまった環境の変化もあります。小さな望遠鏡さえあれば、地球上のどこにいても月世界旅行が手軽に楽しめるのですが、少しもったいないなと思います。

 

川又:
確かに。当たり前にありすぎて、意識して勉強しようという気持ちにならなかったのかも。
ところで丸山さんは、月を毎日観察していたりするのでしょうか?

 

 

 

丸山:
いえ、通常は、特段美しい月が見られる時はシャッターを構えることもありますよ。ただ、私自身も毎日月を探すというよりは、どこかにあって当たり前、という印象かもしれませんね。家族同様に見えて当たり前で見えるべき所に見えてさえいれば、それだけで安心します。

 

川又:
確かに、月とはそういう存在な気がします。

 

丸山:
ただ例外的に、特別な地形が見えたりするピンポイントの時刻には、満を持して観察する時もあります。また、大気の状態が凪いだ様に見える時には、月が見ることを誘ってくるように感じることもあります。

 

川又:
月から見るように誘われるって、素敵ですね!私もそんなお誘いを感じられるようになりたいです。

 

丸山:
日常生活は限られた狭い空間に暮らしていますが、月を見ることで、一瞬にして38万kmの宇宙空間に意識が広がります。萎縮しがちな思考を、月でストレッチできる気がしますよ。

 

川又:
丸山さんは星空観察をする機会も多く、世界中の星を見たことがあるかと思います。その中で、最も月に関する思い出深いシーンは何でしょうか。

 

丸山:
実は思いがけず、日本は仙台の泉が丘にて、満月前後の光が作る虹、月虹(ムーンボー)を見た時ですね。またの名を白虹ともいいます。月の出時刻に、月と反対側の山頂付近に雲が懸かり、その雲から降る霧雨の中に白い虹を見た時の感動は、今も忘れる事がありません。

 

川又:
それはすごいですね!月の神秘的な光に虹が混ざるなんて、私も見てみたいです。

 

丸山:
確かに月の光はマイナスイオン的な柔らかな光のイメージがありますね。ベートーベンやドビュッシーの曲の様なイメージ。薬師如来の脇侍仏として知られる月光菩薩も、同様な感覚で昔から親しまれてきたのかと思いますよ。

 

川又:
さすが、ロマンティックな丸山さん。話を聞くだけで、月のイメージがぐんぐんわいてくるみたい。月の愛で方をこの機会にたくさんの方に知っていただけるといいですね。私も月のサイクルやイメージについて勉強していますが、調べるほど月が起こす地球や人への影響が大きくておどろいています。見えないこの力をうまく生かして、月のある暮らしを提案していきたいですね。

 

新講義「月を愛でる暮らし」第1期

▶︎詳細・お申し込みはこちら

https://freedom-univ.com/lecture/moon_life.html/

 



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