
この講義の特徴は…
① 太古から人類と関わりが深い「月」に、科学と文化の両面からアプローチ。月のリズムを暮らしに活かせるようになる
② 月の満ち欠けの仕組みを理解し、天体観測の楽しみ方、お月見の作法を体験。身近な仲間にも教えられるようになる
③ 秋は月が最もきれいに見えるベストシーズン。各回、みんなで名月を味わいながら学ぶ、年間に1期限りの実践講義です。

月の変化がわかると、毎日、夜空を見上げるのが楽しくなる
太古から、月は私たち人類の生活に、ずっと寄り添っています。
かつて照明などない時代、闇夜を照らす月光は、とても頼もしく神秘的な存在でした。時計がない時代は、月を目安に時を知り、カレンダーがない時代は、月のうつろいを基準に「太陰暦」を発明するなど、いつも生活の中心にありました。
現代のどんなに明るい都会でも、月は毎日さまざまな表情で夜空にあらわれ、私たちの一日の疲れを浄化してくれます。都会で暮らしていると、自然のエネルギーから離れてしまいがち。自然を取り入れるために、まずは空を見上げてはいかがでしょう。
あなたは、月の名前をいくつ知っていますか? 現代人の多くは満月と新月、そして、半月や三日月くらいしか知りません。立待月、有明月、十三夜、月の船、月天心、二十六夜待… など昔の人は、月が満ち、欠けていくさまに細かく名前をつけて、その形に意味を見出し、月を感じる暮らしをしていました。
どのくらい欠けた月が好きですか? その月にも名前があります。微妙な違いまで区別がつくと、年間を通して、帰り道に夜空を見上げるのがもっと楽しくなるはず。
古今東西、世界各国に月を愛でる詩や書物がたくさん存在します。日本人だけでなく、全世界の人にとって月は畏怖の対象であると同時に、その美しさで私たちを魅了し続けてきたのです。

月のリズムと私たちの関係を再発見しよう
地球上のあらゆる生きものは、知らず知らずのうちに月のリズムに影響を受けています。
波や潮の満ち引きも、月の引力によって引き起こされています。私たち人間の身体も、60-80%が水分。引力の影響は、少なからずあるかもしれません。
満月の日に出産が増えたり、衝動的な感情が高まりやすいという説を耳にしたことがあるでしょうか。科学的な研究では、「引力が人体に与える影響」には賛否両論あり、エビデンスとしてはまだまだ明らかになっていないことが多くあります。
ただ、自然界では、海の珊瑚・牡蠣・ウミガメなどの産卵は、満月の夜と決まっていますし、陸上では満月の夜にしか咲かない植物もあります。自然農法の現場でも「新月に種を蒔き、満月に収穫すれば美味しい野菜が採れる」と伝えられたり、古来からの経験則として月のリズムを活用しているようです。
海外でも、例えばニューヨークのビジネスマンたちは満月を「サクセスムーン」と呼び信奉していて、満月に合わせて重要な仕事を予定したりするそう。月光の入りを意識したオフィスや月光浴ができるプールのあるホテルなども多くあります。

月を知り、そのパワーを活用する
大切なのは、忙しい現代において、改めて月のうつろいを意識して生活してみること。身体のリズムを整えるのはもちろん、人間関係や人生のタイミングさえうまくつかむことができるようになるかもしれません。
月が最も美しく見えるこの時期、月のうつろいを意識して過ごしてみませんか。月、太陽、地球の位置関係を理解することで、その日、いつ、どこに、どんな形の月が昇るのかを把握することができるようになります。
地球の上で生きるからこそ、もっとも近い天体である月を理解して、人生の味方につけましょう。
(第1期募集開始日:2019年7月27日)