守破離(しゅはり)という言葉、聞いたことがありますか?
守破離とは茶道、武道、芸能の世界における修行の段階を示す言葉で、「守」は、師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階。「破」は、他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階。「離」は、一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階。(参照:コトバンク)
つまりまずは基本の型を覚え、自分のオリジナルを混ぜていき、そして新しいものを創造する。もともとは日本の古武道で使われていた言葉ですが、何にでも通用する考え方ですよね。自由大学の講義でも守破離を実践しているなと感じるものがたくさんあります。
私は今「未来を歩く姿勢学」のキュレーターを担当しているのですが、先日の講義で教授の篠田さんからもその言葉が登場しました。
講義ではまずは基本の正しい歩き方を徹底して覚え、そこから個人の特性に合わせて歩き方を変えていき、そして最後は「なりたい自分」をイメージしながら未来に向かって自分らしく歩いてみる。
まさに守破離です。
1回目の講義では姿勢も悪く表情も硬かった受講生のみなさんが、回を重ねるごとにどんどん姿勢が良くなって、表情もどんどん明るくなって、最終回では別人のようになります。(大げさではなく、本当に!)これは1回だけのワークショップではなかなか起こせないことだと思います。
どんな人にもそれぞれ個性があって、この講義ではその魅力を最大限引き出すための手段が姿勢や歩き方。「いい」とか「悪い」とかではなく、人と比べるわけでもなく、自分の個性を認めてどう生かすのか。守破離は道を極めるためだけではなく、これまで知らなかった自分の魅力を発見するための手段でもあるのかもしれません。