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スパイスと言う名の名脇役

自由大学マガジン コラムFREE from FREEDOM!「インドに学ぶスパイス学」メタ・バラッツ教授のコラムより

決して主役ではない。こと映画で言うなれば脇役である。使い方、扱い方、タイミングや状況で映画全体を素晴らしく、そして美しくしてくれる。自由に使いこなせるには「好きである」ことと知識と応用が必要な気がする。

世界中さまざまなところで活躍している名脇役は歴史も古く、約8,000年近く前から食材、人々、地域を盛り上げるのに一役買っている。そう扱う人によって魔法使いにも、医者にも、料理人にも、王様にも、大富豪にも、支配者にもなってきた。「スパイス」とはそういうものである。

その昔、ヨーロッパでは「スパイス」とは「南国からの宝もの」を意味し、ワインやタバコ、チョコレートなどもスパイスと呼ばれていたらしい。遥かむかしから人々を魅了し続けたスパイスは現代においても同じである。一言に「スパイスといっても種類も豊富にありスパイスとハーブを分ける境界線など曖昧であるから私などはすべてスパイスのような気がする。

「人生にスパイスを」そんなフレーズを聞くとどこかわくわくと世界が広がっていくような気がする。約4年前、「インドに学ぶスパイス学(初級)」と言うものを自由大学で始めさせて頂いた。スパイスに興味を持つ人々はいろいろな方がいて実に楽しく一緒に授業をさせてもらっている。思うにみんなどこかスパイスに魅力を感じ受講してくださっていて講義を一通り受講するとスパイスを多少なりとも使えるようになる。いわば「魔法使い」の仲間入りである。

そんな「魔法使い」も今や100人を超える大所帯である。そしてなんだかとても嬉しいことである。「スパイスは自由だ!」を軸に自由大学では講義をさせて頂いている。扱う人によってどのようにスパイスを使うかは自由である。インドのレシピを再現したいのも一つである。地域活性化に役立ちたいも一つである。美容、療養に使いたい人もいる。食卓を豊かに彩りたいもまた一つである。

一つ一つのスパイスの香りや役割そして効能を学んでいくと、ひとつまたひとつと新しい世界が開いていくような気がする。そしてさまざまなスパイスが混ざり合うことにより素晴らしい「マサラ」という世界が生まれる。

私自身も「スパイスのような名脇役になりたいものだと常に思う。一振りすれば「もの」、「ひと」、「こと」が色鮮やかに輝いていく。素晴らしい映画には名脇役は欠かせない。そう、人生にスパイスが欠かせないように。

 

[text:メタ・バラッツ]
インドに学ぶスパイス豆と野菜とスパイス 教授

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カテゴリ: ☞ コラム


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