「10年後の未来はどうなっていると思う?」ソーヤー海くんのひとことから講義がスタート。エネルギーの枯渇、貧困、都市と地方の格差…多くの負のイメージが多く湧き上がります。
“現在生じている多くの問題の根本的な原因は何か?” “みんなの命がもっと大事にされる社会を実現するにはどうしたらよいか?” それらを考える手法として海くんが教えてくれたのがパーマカルチャーです。パーマカルチャーとはPermanent(永久の)+Agriculture(農業)またはCulture(文化)の造語で、地球と人に配慮した持続可能な農業や暮らしの技術、また持続可能な環境を作り出すデザインのことです。
「人間社会も経済も生態系なしにはありえない。人間も生態系の一部。」と語る海くん。政治、環境、経済、社会等、様々な要素を考慮して問題をシステムでとらえ、命を活かしあう関係をデザインすることがパーマカルチャーであり、みんなを巻き込み楽しくやることがいちばんです。
ポートランドやコスタリカなどでのパーマカルチャーの実践事例を教えてもらったあと、午後からはついに実践編。“表参道COMMUNE246をパーマカルチャーでデザインしよう!”というお題のもと、食、水、エネルギーの3つのチームに分かれ、資源が循環する仕組みを考えプレゼンします。
仕組みを考えるうえでのポイントはパーマカルチャーの倫理・態度・原則にのっとること。倫理は3つ、“Care the earth” “Care the people” “Fair Share” 態度には“Problem is the Solution”など、原則には“Energy Cycling”などがあります。
1日目の午後は、COMMUNE246を歩きます。入口、屋上、お店などを見て、日当たり、風通り、人の移動などCOMMUNE246内の入ってくるもの、出ていくものを観察しながら、どんなふうに活かすか考えます。なんでも、パーマカルチャーでは“観察”は一年かけてやるものとのこと。みんなそれぞれ案を考えながら1日目が終了!
2日目は屋上で体操をして身体を覚ましてスタート。午後のプレゼンに向け各チームでの話し合いです。私が参加した食チームでは、飲食店に聞き込み調査しました。そこで浮かび上がった問題を解決するべく、お店やお客様が出す生ごみをベンチ型コンポスト(蓋を閉めればベンチとして活用できる!)に入れて堆肥にし、小さなスペースでもハーブや野菜を育てるプランを考えました。
プレゼンでは、雨水を活かし手洗い場からビオトープさらにコミュニティーガーデンに流れる仕組みや駐輪スペースにある空き自転車を活用した発電など、今眠っている資源を活かし問題解決に導くユニークなプランを発表し合いました。
最後は参加者自身がパーマカルチャーの実践者になろう、そしてCOMMUNE246にアーバンパーマカルチャーを取り入れていこうという熱気に包まれ幕を閉じました。COMUNNE246を中心にアーバンパーマカルチャーの輪が広まっていきそうです!
text: 藤岡みのり さん(実践!アーバンパーマカルチャー受講生)