講義レポート

靴を愛おしいと思う瞬間

「20年履ける靴に育てる」講義レポート

ついこの間まで暑い暑いと言っていたのに、気付けば長袖を着ている人も多くなってきました。秋はオシャレの季節。ワクワクしますね。こんにちは、キュレーターのみよしです。

20年履ける靴を育てる」は、すでに17期が終了し卒業生も150名を超えました。卒業生の今とどんな思いで講義を受けていたのか、改めて聞いてみたくなりました。そこで、第10期の卒業生のトミタさんにレポートをお願いしました。

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昨年5月に「20年履ける靴を育てる」を受講して靴の手入れの技術を学んで以来、家族の靴を磨いたり財布や鞄を磨いてみたりと楽しい革ライフを送っています。そんな私から、これからこの講義を受けようかと思っている方々にアドバイスをひとつ。

この講義を受ける時、第1回の講義に持って行く靴は、下駄箱の隅にしまいっぱなしでヨレヨレで埃をかぶった、そんな靴を持っていかれることをおすすめします。

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講義では、ブラシをかけてリムーバーで汚れを落とし、クリームを塗ってワックスで磨く。その一連の作業を時には机の上で自分の目線で、時には懐に抱えて掌の中で一心不乱に手を入れることになります。そうしてすべてが終わったあと、見違えるほどきれいになった靴にびっくりするのと同時に、その靴に対する気持ちの変化に気がつくはずです。「あれ、この靴こんなに愛おしかったっけ?」と。

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一連の写真の靴は、なんとなく見た目で買ったものの、鼻が長くて意外に歩きにくかったために長らく下駄箱で眠らせていた靴でした。あんまり使わなかったけどもう履かないか…と思っていたはずが、手入れを終えて履いてみて驚きました。まったく履き心地が変わっている。あのボロくて歩きにくかった靴が、今はこんなにも柔らかく僕の足を包んでくれている。なんと愛おしい!

どれほどくたびれた靴であっても、丁寧に気持ちを込めて手入れをすれば必ず靴も応えてくれる。なんとも不思議だけれど、これは実際本当のことなのです。ぜひとも体験してみてください。

断捨離ばやりで近ごろなにかと「捨てる」ことがフィーチャーされますが、一度は気に入って買ったモノ。ちょっとやそっとで捨ててしまうのはもったいない。ちょっとした手入れの方法を知っているだけで、まだまだ活かせるモノがたくさんあるはずです。「20年履ける靴に育てる」では、そんな一生ものの技術を学べますよ。



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