講義レポート

想いは、つながる一方

「東北復興学」講義レポート

これから東北とどう向き合うかを考え、実際に行動する「東北復興学」。ゲストスピーカーの「福島県いわき市地域活性プロジェクト MUSUBU」代表の宮本英実さんがレポートを書いてくださいました。

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車に乗って都内を移動中。信号で停止した車は、遊園地のアトラクションばりに揺れました。”誰かが後ろから押してるのかな?”そう思った瞬間、道路の両側のビルからたくさんの人が道路に飛び出してきました。一体何が起きた?! 会社に戻り、すぐにテレビをつけました。そこに映っていたのは、津波でドンドンと船が陸へと流されている港の光景。右上には「LIVE 小名浜港」の文字。そこは、私の地元。

阪神大震災が起こった時、新潟県中越沖地震が起こった時、ハイチ地震が起こった時、恥ずかしながら、私は何も出来ませんでした。2011年3月11日、自分の故郷で震災が起き、全てが自分事になりました。”何かしなきゃ”という衝動にかられ、地元である福島県いわき市で団体を立ち上げて活動をはじめ、現在に至ります。

自由大学「東北復興学」のゲストにお呼びいただいたのは、2013年3月に開講した第4期。すでに震災から2年が経過したその時に、自分事のように東北のことを考え、何かしたい、関わりを持ちたいという思い持ち、講義に参加しているみなさんを目の前に、私は「なぜ、みなさんはこの講義に参加しようと思ったのですか?」と質問してしまったのを覚えています。過去の私が踏み出せなかった一歩を、みんなが踏み出したその理由が知りたかったからです。

その後「東北復興学」でつながったご縁は途切れることなく、つながる一方。

「いわき、いい場所なので来てくださいよー!」「本当に行く!」

そんな会話を、「東北復興学」教授の大内さん&キュレーター水澤さんとしたのが講義に参加した少しあと。話はお世辞におわることなく、旅は今夏、めでたく実現の運びとなりました。

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「真夏のいわき~東北を深める週末旅」と題した1泊2日のいわき旅。現地コーディネートの話をいただいてから、改めていわきを見直しました。限られた時間の中で、存分にいわきを満喫してもらうにはどうすれば良いか、自分が参加者だったらどこに行きたいか、そして、地元民が絶対に自慢したい”いわきの宝”は何だろうか、と考えました。

様々な場所へ足を運び、考え抜いたあげく出来上がった行程は、次から次へと、”食べて、見て、体感する”心身ともにお腹いっぱいになってしまうぐらい盛りだくさんの内容となってしまいましたが、さすがは「東北復興学」に参加するだけあるみなさま!めげることなく、美味しい物を美味しく食べ、手を動かし作業をして、目で見て感じて、地元の方の話を聞いて、と、本当に真剣にいわきと向き合ってくださったように感じました。みんながいわきと向き合う姿を見て、私も地元との新しい向き合い方に気づかされたような気がしました。

このページを見ている方には、すでに一歩踏み出している方もいれば、まだモヤモヤしたままの方もいるのだと思います。「東北復興学」、ふらっと参加して、どうぞふらっと東北へ。これもまた、ご縁です。



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