講義レポート

“思い”を寄せる、”好き”でつながる

「東北復興学」講義レポート

こんにちは。「東北復興学」第5期を受講しました田中優貴です。この講義を受けてみようか、もし迷っているなら、ぜひ受講をおすすめします。

・・・と、今は自信をもって言える私ですが、受講を決心するには、実はかなりの時間をかけてしまいました。

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私は、岩手県盛岡市に10~13歳までの約4年間住んでいました。たった4年間でしたが、あちこちに住んだなかで、一番思い出深い地でもあります。その盛岡での小学生時代にお世話になった大好きな先生が、震災当時、定年退職直前、大船渡市の小学校に校長先生として勤めておられました。すぐに連絡をとりたかった。けど、とれなかった・・・。どういう状況かわからず、なんと言えばいいのか、連絡することが失礼にならないか。結局なんだかんだと理由をつけて行動しないまま、後ろめたさをもったまま、いつの間にか2年以上も時が過ぎていました。

そんな状態でいるときに「モヤモヤしている人」を対象としているというこの「東北復興学」を知りました。「具体的に何かしたい」けど、自分には特技が何もない。何ができるのか分からない。2年間ためこんできたこのモヤモヤ、ここで何とか出来ないだろうか、と思いました。また、フィールドワークが計画に組み込まれていることも、実際に動き出すきっかけを求めていた自分には魅力的でした。ここで動かなければこの先なもうなにもできないのではないか、こんな自分ではお世話になった先生に会わす顔がない、とついに腹を括ったのでした。

そして受講した「東北復興学」。教授の大内さん、キュレーターの水澤さんが作ってくださる、すべてを受け入れてくれるような空気の場所で、集まったみんなが少しずつ自分の思いを言葉にしていきました。一人ひとりが違うストーリーをもっていて、考え方も感じ方もできることもやってみたいこともきっとそれぞれ。でも同じ何かをもっていると感じられました。だから毎週の講義が楽しみでした。「東北」へのかかわり方、自分の生き方に対する考え方が、刺激を受けてどんどんぐんぐん広がっていくのを感じました。

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仙台荒浜でのフィールドワーク、先輩受講生のお話、東北開墾の髙橋さんのお話、グループワーク。これらの活動を通して本当に多くの貴重な出会いがありました。みんなはすごいな、自分は何も出来ないでいるのに…、と落ち込みもしましたが、徐々にそんな情けない自分も変わっていきました。

被災地の方たちのために何かしてあげるのではなく、一緒に悩んだり楽しんだりしたい。私が大事に思っている人たちに「大好きです!!」と伝えたい。私が感じた東北の魅力を、周りの人たちと共有したい。今まで誰にも話せずにいた東北への思いを、もっとみんなで話したい。

東北の復興を考えながら、いつの間にか自分自身の生き方も考えていました。まだまだ人と比べれば小さな小さな一歩ですが、お世話になった先生に勇気を出して連絡を取りました。今年中に大船渡へ会いに行けそうです。また、「東北復興学」第5期終了後も、”東北を深める週末旅”ということで、東北復興学企画のいわきへの旅にも参加することができました。

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これまた充実度200%。今後も、たくさんの企画が実施されるはずで、卒業後もこのような場がたくさんあることも魅力です。気がつけば、荒浜でのフィールドワーク以降、個人的にも今夏3回も東北を訪れていました。細々とでも、長く、自分の生活の一部分として、東北(故郷)とずっと大事につながっていく足がかりを「東北復興学」で見つけました。口先だけで終わらせない、そんな自信まで得ることができました。

本当はもっともっと話したいことがあります。もっともっと他の視点からも見てみたいです。ぜひ、一緒に一歩踏み出しましょう。



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