講義レポート

夜景は生き物

「写真道場」工場夜景撮影ツアーレポート

第7期も好調な「写真道場」キュレーターの森田です。
写真道場では卒業生も参加自由な課外撮影会を不定期に行っています。最近ではお花見撮影会、5月には新緑の等々力渓谷へ。そして、6月は工場夜景撮影ツアーを開催しました。

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今回、企画から進行までコーディネートしてくれたのは、卒業生のお二人。受講生と教授ら30名程が集まり大盛況でした。楽しい時間を作ってくれたお二人に感謝です。

そのおひとり、Sさんは、夜景撮りにベストなタイミングで、受講生のみんなに声をかけてくれました。講義のfacebookグループ内でイベントをたて、スケジュールや候補地の調整など、スマートに進行してくれたおかげで、あっという間にツアーが具体化されました。もうひとりの卒業生Nさんは、川崎工業地帯の某企業にお勤め。Nさんのおかげで今回の撮影会のために、川崎市観光協会の方や地元のバス会社という強力なバックアップを得ることとなり、専属ガイドさん付&貸し切りバスという思いもよらないスペシャルなツアーとなったのです。

参加者は夕方に川崎駅に集合。そこから工業地帯まで貸し切りバスに乗り込み、工業地帯の無機質な美の世界へと向かいます。

川崎工場地帯、そこは被写体の宝庫でした。煙突、貨物船、パイプライン…。色とりどりに並ぶコンテナの風景。連絡通路である海底トンネルさえ映画のワンシーンのような雰囲気です。

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工場地帯を一望できる川崎マリエンという建物では「工場夜景カレー」をいただき、夕暮れ時の工場全景を展望室で眺めながら、ガイドさんから貴重な話をお聞きしました。だんだんと暗くなり、展望室から見下ろす工業地帯にポツポツと明りが灯っていく様子に、参加者みんなの夜景撮影へのテンションもますます上がっていきます。

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日没を待って再びバスに乗り込み、暗闇の工場エリアへ突入。初めて訪れる人にとって、広大すぎる工場地帯は、どこへ行ったらいいのか迷ってしまいそうです。でも今回は貸し切りバスとガイドさんという頼もしいご協力おかげで、おすすめの撮影ポイントを、いくつも効率良く巡ることができ、本当に助かりました。

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バスからの夜景を楽しめるようにと、車内の照明を消してくれたバス運転手さんの粋な計らいに、参加者からは拍手喝采。今日の為に各工場も協力して「いつもより光量多め」にライトアップしてくれたとか。なんというチームプレー!川崎工業地帯、恐るべしです。そしてありがたい限りです。

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肉眼で見る工場夜景の美しさと、見上げる工場建築の迫力は、想像をはるかに超え、訪れた人みんなを魅了していました。

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「夜景は生き物」とはこのツアーで初めてお聞きした言葉です。まさにぴったりの表現だなぁと実感。煙突から噴出し揺れ動く炎や、光をまとう煙の色合いは、ずっと眺めていたいような、何枚撮っても飽きないような、そんな気分にさせてくれました。

写真撮影では、大平教授のアドバイスを受け、三脚を使った撮影に挑戦。カメラの「夜景モード」などに頼らずにキレイな夜景を撮るためにはどうしたら良いのか?試行錯誤しながらも皆だんだんコツをつかんでくる感じは、さすがは写真道場の受講生たちです。

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最初は和気あいあいにぎやかだったムードも、最後にはピリッと撮影本気モードに。ブレとシャッタースピードに注意しながら、時間ぎりぎりまで、男女問わず全員夢中になり、シャッターをきっていました。集中する時間さえも共有できて楽しめるのは、同じ興味を持った者同士の醍醐味ですね。私自身も工場夜景の撮影は初挑戦。参加する前は、まともに撮影できるのかさえ心配で、ちょっと近寄りがたいイメージがあった工場夜景でしたが、仲間と楽しく撮影することで、すっかり「工場萌え」という言葉がしっくりとはまった一日でした。

この日撮影した写真はSNSに投稿し合い、写真道場の受講生全員で共有して、楽しんでいます。工場夜景ツアーは大成功で幕を閉じました。

夜景写真という新たな写真の楽しさに目覚めた人も多かったようで、また今回都合が合わず参加出来なったかった受講生の為にも、第2弾を企画しましょう!というウレシイ話が持ち上がっています。



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