講義レポート

想像以上に広く、そして深かった乾物ワールド

「乾物のある生活」講義レポート

乾物の味わいや食感を楽しみながら、食材の旬を保存し、無駄を出さず、栄養価も高いその価値を再発見していく「乾物のある生活」。7期受講生の藤岡信代さんからレポートが届きました。

Exif_JPEG_PICTURE

自由大学の「乾物のある生活」を受講しようと思い立ったのは、Facebookで教授のサカイ優佳子さんが講義のことを紹介していたのがきっかけでした。昨年の5月末に退社し、フリーランスになって時間が自由になったので、「食生活を見直したい」、「豆をもっと食べるようにしたい」と考えるようになりました。40代半ばのお年頃なので大豆をもっと食べなくては…、という意識もあったし、ダイエット目的もありました。

「乾物」について、真面目に、地味にお勉強するもの、と思っていたのですが、その先入観は、初回の講義で見事にくつがえされました。乾物=切り干し大根、ひじき、豆。日本の伝統的な保存食品、くらいの認識でいた私に、教授のサカイ優佳子さんと田平恵美さんが見せてくれた「乾物ワールド」は、もっともっと広く、深かったのです。

初回の講義でぐっと心に刺さったのは、「乾物は、PEACEな食べ物」という考え方。収穫した食材を無駄にすることなく、保存コスト&輸送コストも少なくてすみ、美味しく&栄養価が上がることもあり、ひいては食糧問題の解決にもつながる可能性がある。なんだかグローバルに考えるとすごいことになりますが、これらのメリットは、家庭でもPEACEをもたらしてくれるもの。冷蔵庫に入れることなく保存でき、調理方法のコツさえ覚えれば、簡単に美味しい料理がつくれるのですから。その後の講義で、驚きの簡単レシピもたくさん教わりました。

講義は、乾物食材の大まかな分類ごとに、「野菜・果物」「豆」「穀類」「海産乾物」と進みましたが、毎回、新しい乾物、新しい味わいに出会うことができました。それは、教授のおふたりが乾物を広くとらえていて、また世界中の乾物とレシピを自在に組み合わせて提案してくださるからです。

初めて見る干しじゃがいもの料理を味わい、切り干し大根のサラダ、ポテトサラダそのものに見える大豆のサラダ、ミートローフそっくりのナッツのローフなどを食べました。「戻すのがめんどう…」と思っていた乾物も、戻し時間が意外に短かったり、すでに切ってあるので調理の手間が少なかったり、と意識を変えれば使い勝手のいい食材であること。干し野菜は、とても簡単に自宅でつくることができること。などなど、実際に「乾物のある生活」を始めるための知識も身に着きました。

毎回、宿題として、実際に作ったり食べたりした乾物料理や、珍しい乾物などをFacebookページに投稿するのですが、私はあまりアップできなかったけれども地味に実践をつづけました。最後の講義の日には、「え~、もっともっと乾物食べた~い!」と名残惜しい気持ちでいっぱい。

Exif_JPEG_PICTURE

さて、講義終了後に私が考えたことは、「この面白さを誰かに伝えたい!」ということ。

幸い私の仕事はフリーエディターで、お仕事をいただいているウエブマガジンで情報を伝えることができます。講義の中でも特に伝えたいと感じた「干し野菜の作り方のコツ」と「乾物を使った簡単レシピ(スープ&パスタ)」のふたつを、記事にまとめることにしました。

kanbutu_20130725_02
サカイさん、田平さんに原稿を見ていただき、写真は盛りつけ師&フォトスタイリストのもりたとしこさんにスタイリング&撮影をしてもらい、「Klastyling 暮らす+スタイリング」にアップすることになりました。第1弾の「もう残り野菜を無駄にしない!干し野菜づくりに挑戦」の記事は、Facebookページでのリンク紹介で、約6800人のフィードに流れ、約480の「いいね!」をいただきました。思いがけない大きな反響がうれしかったので、第2弾の撮影にも力が入り、第3弾の「豆料理編」も企画しています。

乾物のある生活」の講義は、ただ受講して知識を得るだけで終わるのではなく、ほんとうに「乾物のある生活」をスタートできる内容でした。私の「乾物のある生活」はまだまだ始まったばかりで、これからもっともっと、広くて深い乾物ワールドを楽しむと思います。そして、その毎日の生活が少しでも世界のPEACEにつながることを祈って。



関連する講義


関連するレポート