講義レポート

飲む人から、至高のビールをつくる人へ

「クラフトビール醸造学」ってどんな講義?

クラフトビールが好き。

旅先でブルワリーを見つけると、ちょっと覗いてみたくなる。ビアバーでもスーパーや酒屋でも、知らない銘柄があると好奇心で手に取ってしまう。

でも、自分でビールをつくれるなんて考えたことはありませんでした。

「クラフトビール醸造学」に参加するのに、醸造の専門知識は必要ありません。すでにビールに詳しい人も、まだハマり始めたばかりの人も、これまで学んできました。

この講義で目指しているのは、ビールの知識をたくさん覚えることではなく、いつも飲んでいる一杯の向こう側へ行ってみること。

どんな味にするのかを考える。素材を知る。コンセプトをつくる。醸造所へ行って、自分たちの手で仕込む。そして、完成したビールを実際にお客さんへ届ける。

これまでの2024年度、2025年度の講義を、写真とともに振り返ってみましょう。

ビールマニアじゃないけど、つくれる?


最初に学ぶのは、クラフトビールの基本です。IPA、ペールエール、スタウト。名前は聞いたことがあっても、「何が違うの?」という人もいるでしょう。

麦芽、ホップ、酵母、水。それぞれが味や香りにどう影響するのか。実際にビールを飲み比べながら、少しずつ解像度を上げていきます。

最初から詳しくなくて大丈夫。飲みながら、触りながら、比較して、つくりながら知っていく。それが、この講義の学び方です。


「おいしい」だけでは、商品にならない。


自分たちがつくるなら、どんなビールにする?

ここからが、自由大学「クラフトビール醸造学」の面白いところです。ガチでつくり、全国で販売してしまうのです。

本気で完売を目指すとなると、「味が美味しい」だけでは心もとない。美味しいのは当然として、お客さんに手に取ってもらうには、たくさんの工夫が必要です。

「さあ、どんなビールをつくろうか」

クリエイティブディレクター/コピーライターの公庄仁さんをゲストに迎え、ビールのコンセプトについて考えました。

世の中には、すでにおいしいクラフトビールがたくさんあります。その中で、なぜこの一本をつくるのか。誰に飲んでもらいたいのか。どんな名前をつけ、どんな物語として届けるのか。

ビールづくりは、味づくりだけではありません。

商品をつくるとは、味と物語を一緒につくること。

商品開発やブランドづくりに興味がある人にとっても、ここにはたくさんのヒントがあります。

コンビニでも取り扱ってくれています@セブンイレブン神宮外苑西店(東京)
大手企業の銘柄に混じって善戦しています。

飲食店には樽で納品します。

ホップって、こんなところで育っている。


自由大学の教室を飛び出して、日本有数のホップ産地である京都府与謝野町へ。「日本初のフリーランスホップ産地」「世界最速のフレッシュホップ」として知られるホップの畑を訪ねました。原材料ホップはビールの香りや苦味に重要な役割を果たすので、最高の品質にこだわりたいところ。

写真では見たことがあっても、実際に畑に立ち、ホップを手に取り、その香りを嗅いだことがある人は少ないでしょう。

いつもグラスの中にあるものが、植物として目の前にある。

つくっている人に会い、土地を歩き、自分の手で触れてみる。

ホップ生産者&ビール評論家として知られる藤原ヒロユキさんが栽培する現場で、ホップの生育過程や収穫のタイミング、品質管理の重要性について学びます。地域ごとの気候や土壌がホップの特性にどのように影響するかなど、庄田さんと一緒にホップ畑を歩きながらのレクチャーです。

検索すれば何でも知ることができる時代になっても、現地へ行かなければわからない発見があります。


 

わざわざ福知山まで行く理由。


翌日は、京都・福知山のブルワリー「CRAFT BANK」へ。

醸造所を見学して終わり? そんなわけありません。

朝7:00から醸造所に入り、プロの醸造家と一緒に、実際の設備を使って自分たちのビールを仕込みます。

麦芽を投入する。
温度を見る。
香りを確かめる。
ホップを入れる。

教室で聞いていた「糖化」「煮沸」「発酵」という言葉が、目の前の湯気や香りや手触りに変わっていきます。

CRAFT BANKは、銀行だった建物をリノベーションして生まれたブルワリー。

ビールだけを見るのではなく、「なぜ、この街でこのブルワリーをやるのか」というところまで見えてくるのも、現地を訪れる面白さです。クラフトビールは、その昔「地ビール」と呼ばれてた時代があるくらい、地域とのつながりが深い。




アイデアを出し合い、最高の新作を

集まったメンバーとディスカッションを通して、「最高の一杯」を作り上げていく。

大人になってから、たまたま集まった人たちと何かひとつのものをつくる機会は、意外とありません。

クラフトビール醸造学は、基本的に一人で参加する人ばかりです。

共通しているのは、「ビールが好き」「ものづくりに興味がある」「知らない世界を覗いてみたい」ということくらい。

一緒に飲み、考え、旅をして、朝から醸造所で仕込む。

数か月後には、自分たちがつくったビールで乾杯する。

最初から仲間だから参加するのではなく、一緒につくるから仲間になっていく。

それも、この講義で起きることのひとつです。



 

仕込んだら、待つ。

ビールは、その場では完成しません。

酵母が働き、発酵し、熟成していく時間があります。自分たちが仕込んだビールはどうなっているだろう。ちゃんとおいしくなっているだろうか待つ時間まで含めて、ものづくりです。

そして数か月後。

ようやく、自分たちのビールが完成します。


 

完成しても、まだ終わりではない。


最初の販売イベント、お披露目は、青山ファーマーズマーケットにて。

自分たちがつくったビールを、自分たちでお客さんへ届けます。

「これは、どんなビールですか?」

そう聞かれたとき、自分の言葉で説明してみる。

なぜこの味なのか。
どんな素材を使ったのか。
どんな人たちが、どんな場所でつくったのか。

一本のビールの背景を知っているから、話せることがあります。

企画して、つくって、届ける。

ここまで経験して、クラフトビール醸造学は完結します。

「買います」「うわー、こんな味、飲んだことない!」「美味しい!」

お客さんの反応に、少し照れながら、笑顔になる。



いつか、自分の商品をつくってみたい人へ。

ブルワリーを開業する予定なんてなくてもかまいません。

自分の店を持ってみたい。
いつか自分の商品をつくってみたい。
地域で何か面白いことを始めたい。
食や飲み物に関わる仕事をしてみたい。
あるいは単純に、好きなクラフトビールの世界を、もう少し深く覗いてみたい。

そんな人にとって、一本のビールが生まれる最初から最後までに参加する経験は、これから何かをつくるときの小さな原体験になるかもしれません。

「消費する側」から「つくる側」へ回ってみると、世界の見え方は少し変わります。

卒業生でも、実際に自分のビールをリリースしているメンバーもいます。自分のブランドを育てるなんて、ワクワクしますね。

 

そして2026年末から新年にかけて、
新作をつくります。


今年も「クラフトビール醸造学」を開講します。

今回の副原料は、コーヒー。

ゲストに迎えるのは、東京・錦糸町を拠点にスペシャルティコーヒーを追究する「私立珈琲小学校」の吉田恒さん。

CRAFT BANKと私立珈琲小学校は、これまでもコーヒーを使ったビールを共同開発して好評を得てきました。

これまでの経験を踏まえて、次につくるなら?

豆の産地、精製、焙煎によって変わる香り、酸味、苦味、質感。それを麦芽、ホップ、酵母とどう組み合わせるのか。

今年集まる受講生と、コーヒーとビール、それぞれのプロが一緒になって、新しい一杯を考えます。

どんなビールが完成するのかは、まだ誰にもわかりません。

なぜなら、今年の一本をつくる仲間たちは、これから集まるからです。

次につくる側に回るのは、あなたです。

一緒に、最高のクラフトビールづくりに挑戦しましょう!

詳細、お申し込みはこちら

クラフトビール醸造学

 

 



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