ビールづくりの基礎
ビールづくりの基礎を学びます。まず、ビールの歴史とその多様なスタイルについて紹介。ビールの4つの主要な原材料(モルト、ホップ、酵母、水)の役割と特性を詳しく説明します。ビールの醸造プロセスについても、麦芽の糖化、ホップの煮沸、発酵、熟成などの各ステップを段階的に理解していきましょう。様々なビールを試飲し分析。基礎知識があれば、ビール醸造の全体像をつかみ、自分のレシピ開発の土台を築くことができます。
新講義
最高の味を自分の手で!イチから始めるブルワリー入門
「ビールって、自分でつくれるの?」
実はあなたにもできると知ったら、たちまち挑戦したくなるはず。
この画期的な講義は、自分で新作ビールを醸造したい人が、こだわりのクラフトビールブランドをはじめられるようになるための<基礎>を学びます。オリジナルレシピの考案から、醸造、ブランディングまで、たのしい<座学と実践>を通したブルワーへの旅になるでしょう。
これが生ホップだ。与謝野町にある日本初のフリーランスのホップ畑にて
クラフトビールは新しいライフスタイルだ
いま世界的な傾向として、大量生産や大量消費する生き方に疑問を持つ人たちが増えています。この潮流は、食の分野でも顕著です。独立系の小さなブランドが多くの支持を集める動きを、あなたも目にしているかもしれません。
「飲みたいビールは、自分でつくる」
自立したDIYスピリットを持つブルワー(醸造家)たちが手がけるクラフトビールは、実に多様。伝統的な手法をベースにしながらも、「常識にとらわれない自由な発想」が溢れています。
ホップや麦芽の絶妙なかけ合わせ、こだわりの品質、その地域ならではの旬の副原料を取り入れたりしながら、新しいビールを探究する。その姿はまるで「学者」のようでもあり、「職人」のようでもあり。その味わいからは、つくり手の想いが満ちあふれ、味も香りも至高! そのぶっ飛んだ魅力に、心がつかまれてしまいます。
ブルワリー「CRAFT BANK」の屋上にて。新作ビールを片手に、面白い「地域おこし」を企む
コミュニティ・ブリューイング! みんなでビール造りの冒険に出よう
自分でブランドをはじめたいけど、大きな設備がない? 大丈夫、その心配は必要ありません。
ファントムブルワーなら、自前で設備を持たず他の醸造所とコラボレーションすることで、身軽にはじめられます。ファントムとは「幽霊」のこと。この革新的なスタイルは、海外のビールブランド「Mikkeller(ミッケラー)」や「Omnipollo(オムニポロ)」などが代表的で、彼らは自分たちのレシピを世界中の最適な醸造所に委託してビールを製造しています。
大きな設備も、細かな醸造技術も、必要ない。すでに持ってる人から、シェアしてもらえればいいのです。そうなると、あなたがビールづくり(ブルワリー)を始めるために最低限必要なのは…
・独自のレシピ開発
・ブランドマーケティング
になるわけです。本講義では、この部分を重点的に学んでいけるよう計画しました。
醸造テーマは「アップサイクル」と「都市とローカル」
今回、受講生みんなでひとつのオリジナルビールを醸造していきます。
その上で、大きなテーマを「循環」と掲げました。
食品の循環としては「アップサイクル」。フードロス食材を活用する新しいアイデアとして、「カカオ」に着目します。チョコレートなどで使用され廃棄予定のカカオの皮を、アップサイクルしてビールの副原料とする挑戦です。
人の循環としては、「都市とローカル」。東京都心のマーケットと、京都の新進気鋭の醸造所やこだわりのホップ畑を結びます。日本のローカルから世界一を目指すインディペンデントブルワリー「CRAFT BANK」の指導と協力を得て、オリジナルビールを開発します。はたして舌の肥えた都市のビール好きたちの期待を超えられるか。
ローカルの豊かさと都市の豊かさを、両方とも取り入れて、他にはないビールを開発しましょう。
醸造所にて。仕込みの全工程とテクニックも学びますよ
新作ビールは、夏のクラフトビールフェスでお披露目だ
みんなで完成させた新作は、都市の高感度な人たちが集う「青山ファーマーズマーケット」主催のクラフトビールフェスにてお披露目します。カルチャーシーンをリードする名だたるクラフトビールブランドたちと並んで出店。多くのビール好きが集まる中で、自分たちの新作はどう評価されるのか。実際に、お客さんの反応を感じる経験は、自信となるか反省となるか、いずれにしても濃厚な日々となるはずです。
最終課題は「あなた考案のオリジナルレシピ」優秀賞は商品化も
講義の最終課題として、受講生が「理想のオリジナルレシピ」を発表します。ブルワーとメンバーでの話し合いによる審査の結果、優秀賞を選出。受賞した画期的なレシピは、実際に「CRAFT BANK」ブランドから新作として商品化される権利を得ます。ビールのラベルには、もちろんあなたの名前が刻印されますし、特別なフィードバックがあれば共有します。
クラフトビール最盛期と呼ばれる近年。多様なクラフトビールが生まれる中、ブルワーの立場を擬似体験して学ぶことで、より深くクラフトビールを知り、楽しむことができるでしょう。
味はもちろんのこと、ブランドとしてどう伝えるかも重要だ
キュレーター庄田健助さんからのメッセージ
「ビールづくりは、関わるみんなの人生を駆動する」
イメージを超えた味が完成した時は感動しますよ。それはもちろんなのですが、ぼくたちがクラフトビールにこれほど魅了されているのは、これが出会いの輪を生み出すメディアとしても機能している点です。自分たちのこだわりが詰まったビールを触媒にして、人と人とがつながり、愛する地域の資源に光を当て、新しい何かが生まれる。そのことがこれ以上ない喜びなのです。
コミュニティ・ブルーイング! 共にビールを造りましょう!
2年前の起業当初の動画。古い銀行をリノベして、自前の醸造設備をつくった。静かな興奮が伝わる
(第1期募集開始 2024年5月30日)
第1回
ビールづくりの基礎を学びます。まず、ビールの歴史とその多様なスタイルについて紹介。ビールの4つの主要な原材料(モルト、ホップ、酵母、水)の役割と特性を詳しく説明します。ビールの醸造プロセスについても、麦芽の糖化、ホップの煮沸、発酵、熟成などの各ステップを段階的に理解していきましょう。様々なビールを試飲し分析。基礎知識があれば、ビール醸造の全体像をつかみ、自分のレシピ開発の土台を築くことができます。
第2回
今回、革新的な副原料として着目したのは「カカオ」。提供してくださる代官山のスイーツ店「LA BASE de Chez Lui」でシェフショコラティエをつとめる酒井さんと一緒に、カカオの皮など、通常廃棄される部分をビールの副原料として活用する方法について具体例を挙げながらレクチャーします。チョコレート製造の副産物を使用した食品の可能性と、それが環境に与えるポジティブな影響について。また、フードロスの問題や、持続可能な食材利用の重要性について。新しい視点で副原料を選択する発想を学びます。カカオの現物に触れ、実際にその風味やアロマを体験しましょう。
第3回
ビールづくりに欠かせない原材料ホップへの理解を深めます。ビールの香りや苦味に重要な役割を果たすので、最高の品質にこだわりたいところ。フィールドワークとして訪れるのは、「日本初のフリーランスホップ産地」「世界最速のフレッシュホップ」として知られる与謝野町のホップ畑です。栽培の現場でホップの生育過程や収穫のタイミング、品質管理の重要性について。地域ごとの気候や土壌がホップの特性にどのように影響するかなど、庄田さんと一緒にホップ畑を歩きながらのレクチャーです。(ホップ畑農家さんからもお話をお聞きできるかも※調整中)
・福知山駅に13:30全員集合し、そろって畑に移動します。
第4回
独自性のあるビール。その強いコンセプトをどう発想し、味わいや背景をどう伝えるか。ブランドマーケティングを学びます。広告会社で数々のブランディングを手がけてきた公庄さんから、ブルワリーやビールのコンセプト作りについて学びます。ブランドや商品のコンセプトを言葉にする技術。強いコンセプトがどのようにブランドイメージを形成し、消費者にアピールするのか。自身のビールブランドのコンセプトを考えるワークを通じて、ビールのストーリーや独自性を際立たせるスキルを身に付けます。
・夜は、CRAFT BANK の夏の夜市でおいしいビールを飲みながら夕食&懇親会を予定(自由参加)
第5回
京都府福知山市のCRAFT BANKにて、丸1日を通してビールの仕込みを行います(もちろん休憩はとりながら)。プロの醸造家の指導のもと、麦芽の糖化、ホップの添加、発酵の管理など、ビール醸造の各プロセスを体験します。座学で学んだ知識を実際の作業と比較し、ビールづくりの現場を体感します。実際に手を動かすことで、自分のレシピをどのようにスケールアップするかヒントになるはず。醸造の楽しさと難しさを味わいましょう。
・朝7:00にCRAFT BANK集合して17:00現地解散となります。東京近郊へ夜までに帰ることが可能な時間です。
第6回
最終回の発表。あなたがこれまで学んだ知見をもとに、自身が将来つくってみたいブルワリーのコンセプトとオリジナルレシピを発表します。各自のビールの特徴や独自性をプレゼンし、専門家やみんなからのアドバイスを受けます。最優秀レシピは、実際にCRAFT BANKで生産され、商品化される権利を得ます。最優秀レシピの選定は、ブルワーと受講生の意見交換により決定。
・みんなで福知山で仕込んだ新作を試飲し、出来ばえをディスカッション。
第7回
みんなでつくった新作クラフトビールを、実際に試飲や販売をして披露します。その舞台は、青山Farmers Market@UNU にて開催される夏の「Craft Beer Festival 」。来場者は毎年1万5千人を超え、約20の新進気鋭のブルワリーが出店するイベントですので、さまざまなクラフトビールを飲み比べて楽しむこともできます。
・庄田さんとの販売体験(店番)は、交代制で2日間のどちらかの日に、1〜2時間程度。お客さんからの反応や、仲間とのビール談義も楽しみましょう。
昨年2023の様子「Craft Beer Festival 」
https://farmersmarkets.jp/craftbeerfestival-2023/