講義レポート

「魅せ方」と「見え方」

教授コラム おいしい盛り付け学 飯野登起子教授

ここ50日間ほど家で過ごす時間が続きました。どう有意義に過ごすか日々考え楽しみながら格闘、特に「食」をデザインし形に残すこと=盛り付け&スタイリング&撮影、数えたら日にち以上の枚数を残していました。

時間があるからこそ、日常の「食」でこだわって料理をしたり、少し時間がかかるような美味しいおやつを焼いてみたり、スプラウトやキッチンハーブを育てたり、思う存分自宅の器選びに時間をかけたり、納豆や食パン、サラダでさえも「魅せ方」を楽しむことができました。

今回、余裕の時間からデザインアイデアの種は家の中に至るところに転がっていることに改めて気付かされました。仕事に追われていたり地方出張が続くと見逃していたり、気が付いていても向かう時間が取れなかったりしていました。デザインし残すからには家で自由になる時間を徹底的に活かし、納得のいく「魅せ方」と「見え方」に挑戦しました。

「魅せ方」では盛り付けやスタイリングを数ミリずつ動かしたり、「見え方」ではiPhone と Nikon のフルサイズのカメラで撮影、iPhone は手軽に撮影できますが、稚拙に映る時もあるので、三脚を設置しカメラをLightroom に繋いでテザー撮影を(魅せ方にも見え方にもとても役立ちます。)しています。

だいたい1デザインで数10枚、好きな1枚が撮れるまでシャッターを切り続けます。お気に入りの1枚が残せた時には疲れ切って正直ぐったりしている時もありますが、それ以上の感動と達成感があります。

50日間、家で過ごした時間で2つほどリモートで自宅で盛り付け&スタイリング&撮影の仕事をいただきました。これも全て自主練(日々楽しみながらの格闘)が活きてくれています。いくつになってもデザインアイデアの種を大切に拾えて、そして蒔いて育てられるようにいたいですね。

 

《影響を受けた本》

NOMA

NOMA、ちょうど 10 年前、まだ、日本でそんなに NOMAが騒 がれていなかった頃に重いハードカバー の本と出会いました。料理の本なのに本を開く と、まるで画集のような写真が目に飛び込んで来ま した。 紙の上のデザイン、グラフックから、現在のお皿の 上の盛り付けデザインの仕事をするようになった私 にとって、筆から絵の具を置くように「紙」から 「皿」に繋いでくれるような一冊でした。当時 NOMA に出て来るような皿や器を焼かれる陶芸家を日本 で探したくらいです。

TEXT: 教授  飯野登起子

担当講義: おいしい盛り付け学【入門編/オンライン】おいしい盛り付け学おうちパーティー学



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