講義レポート

「新旅学のすすめ」のススメ

新旅学のすすめ 4期 講義レポート

自由大学を知ったのは、5年以上も前。表参道で偶然見かけて、強い興味を覚えました。一方、敷居の高いイメージも同時に抱き、受講まで踏ん切りがつかずにいつのまにか月日は過ぎてしまいました。

自分の年齢も50歳が迫り、「将来に対する、ただぼんやりとした不安」がえらくはっきりとしてくる中で、「新旅学のすすめ」の募集を見かけました。好きな旅をより楽しめるようになれば好都合だなと思い、ようやく受講しましたがそんな私の想定は良い意味で大きく裏切られました。

「新旅学のすすめ」の講義内容は、旅を切り口にして、人生や自分自身を考え直す今までにない機会となりました。特に講義の重要なキーワードの一つである「個性」については、旅のツールにも目的にもなり、さらに、人生の幸せにさえも影響するということを学んだことがとても印象に残っています。

それは、旅の中で自分の「個性」をどう見つけ発揮するかというお題が出された時でした。私は都市開発の仕事をしており、「仕事=興味=個性」と仕事との繋がりによる個性と旅の目的が直結しており、自分の人生の幸せさを、一旦は認識しました。一方、他の受講生の中には、簡単には答えが見つからず、キュレーターのお二人の導きも受けて試行錯誤をしながらも、何かを発見していく人もいました。それは、その人が自分で探し当てた自分なりの「個性」の可能性溢れるカケラでした。その模索する様子を見ていて、自分の「個性」は何かということを、改めて考えさせられました。

会社員の仕事は結局与えられたものです。私の「個性」は、「会社のため」という義務から生まれたものでしかないのでは、という思いを抱きました。自分のために、自分が楽しんで作り上げた「個性」のない人生。このままで良いのかという思いにも襲われました。

「新旅学のすすめ」の受講期間では、結局この課題の答えは出せませんでしたが、受講後も「個性」への強い思いは残りました。「新旅学のすすめ」の受講を終えて、ちょうど海外へ行きました。今までと違う視点、積極的な挑戦。いつもより充実した旅になり、満足感を覚えながら帰国出来ました。

しかし、本当の「変化」は、日常に戻って数週間後に起きたのです。会社で長年つきあいのある先輩と、何気ない会話をする中で、その人がアートや建築などの多彩な分野で深い知識や経験を持っていることが解り、長時間話し込んでしまいました。先輩は、会社の中ではあえてオープンにしておらず、身近にいる私も初めて聞く話がほとんどだったのです。これは、単なる偶然でしょうか。いや、「新旅学のすすめ」で「個性」に気づかされ、自分の「個性」に悩んだからこそ、軽い会話の中に隠された他の人の「個性」に気づき、出会うことができたのではないかと思っています。

自分が変化すると、ごくごく普通の日常の中に新たな「個性」との出会いや体験が生まれる。その刺激を受けて、また自分が変化していく。だから、視点が変わるだけで人生そのものが、刺激のある非日常の「旅」そのものになるかもしれません。

派手で劇的な変化ではありませんが、今は、私はそのような「変化=非日常」を楽しみ始めています。

みなさんも「個性」を見つける旅に一歩踏み出してみませんか?



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