DIYミュージックの講義には、様々なバックグラウンドの受講生が集まってきます。そこでの出会いや刺激は、自由大学での学びの大きな特徴でもあります。
役者の狗丸トモヒロさんもそんな1人。DIYミュージックを受講した体験から生まれた詩を送ってくれました。
ちなみに今回のイラストは、卒業生のやがわまきさんのもの。オリジナル動画は、卒業生のHiromi Yoshimotoさんの音楽とともに、こちらでお楽しみいただけます。
DIY Music Compilation from sawako on Vimeo.
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僕は狗丸(いぬまる)トモヒロです。
役者です。
そう名乗っています。
嘘かもしれないし本当かもしれません。
それでいいんじゃないかと思います。
そんな自分が音楽をやろうと思いました。
どうしていいかわかりません。
たまたま見つけました。
結構、悩みました。
そして出会いました。
人に音に音楽に。
楽しくなりました。
そこから詩が生まれました。
なぜか詩が。
そこから可能性が生まれました。
とても大切な可能性が。
そんなことを詩にしてみました。
「ある風景」
何でもないことなのに
何かであるような気になって
そこにいるのかもわからない
笑っている自分が嘘みたいに
鏡のなかにうつっていた
森の中に気配を感じて
獣の存在が大きくなって
僕はずっとそこにいた
強い風が吹いたかと思うと
いつの間にか森の中に僕はいた
木の葉がゆれた
川がゆっくりとながれていた
声がきこえた
そこにはきまりがあった
そこにはきまりがなかった
いつまでも森にいればいい
すぐにでも森をでればいい
何もないところには
全てがあるのかもしれない
見えているものは
見えないものからできているのだろう
いつの間にか
太陽がのぼっていた
(text by 狗丸トモヒロ)