講義レポート

『これからの時代を体現する「個の時代」とはなんなのか』

「コミューン経済学」教授 大高健志さんコラム

インターネットが普及し、スマホが普及した現代。

それこそ80年代にアルビン・トフラーが提唱した通り、情報ビックバン、そしてだれもが情報発信の主体になれるという革命によって、「個の時代」が到来している。

「シェアリングエコノミー」や「ブロックチェーン」などのワードや概念も「個の時代」の文脈や、それの証左である現象として捉えられていると思う。

私自身、この「個の時代」の到来に未来を感じ、それを実体化する取り組みとして始めたサービスが、クラウドファンディングプラットフォーム『MOTIONGALLERY』でありマイクロシアタープラットフォーム『popcorn』である。

クラウドファンディングプラットフォーム『MOTIONGALLERY』は、共感した個人の応援が集まることで個人が立ち上げたクリエティブな企画が実現する場であり、

マイクロシアタープラットフォーム『popcorn』は、個人が主体となって映画上映を自由に行える場であり、こちらも上映という企画を立ち上げる個人の創造力にスポットライトを当て、一緒に広げていくサービスである。

そんな個人の活動を拡張する2つのサービスを運営していて気づいた視点の1つが「コミューン」という最小単位のコミュニティー。個が主役になるという事は「マス」という概念が融解し、モノゴトが生まれる・届ける為には、もはやこれまでの様な「マス」にトップダウンで広告する手法ではなく、同じ価値観を共有している最小単位のクラスタである「コミューン」が熱狂するというボトムアップ型の起点づくりがとても重要な事、そしてその結果将来もしかしたら国家や社会の様な大きなコミュニティーに依存しなくても「コミューン」の様な小さなコミュニティーの中で生活が成り立つ世界が来るかもしれないという事である。

一方でもう1つの視点が、この「個の時代」をディストピアではなくユートピアにする重要な鍵は、消費者としての個の拡張ではなく創造者としての個の拡張であるという事。個人の発信力が強く成った事で伴う負の側面の源には、この「個の時代」の個人の消費者的な側面にフォーカスし消費行動で個人を繋いでいる様な、これまでと代わり映えの無い概念のサービスやコミュニティーが混じり合っているからなのでは無いかと思っている。

これからの時代を体現する「個の時代」とはなんなのかを、実際にこの授業を通して「クリエティブなアイデアで繋がるコミューン」をつくりみんなで学んで行きたい。



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